海外では賞金20億円超えも…。当事者が語った「日本でe-Sportsが普及しない」理由
世界的なゲーム大会である「Evolution Championship Series(EVO)」が、1月26日(金)からの3日間、格闘ゲーム発祥の地である日本で「EVO Japan 2018」として初開催されました。
主催者側の想定を上回る参加エントリーで、本家である北米に劣らぬ盛り上がりを見せています。そんななか株式会社ポノスでe-Sports事業を統括する板垣護氏がイベント内の講演に登壇。そのなかで語った「最新事情」とは?
海外ではメジャースポーツと引けを取らない人気競技に
板垣氏によると「海外では賞金総額20億円を超える大会も開催されており、大会優勝者が手にする賞金は12億円にもなる」という。
ほかのスポーツ大会と賞金総額を比較するなら、ゴルフの全英オープンが約11億4800万円、テニスのウィンブルドンが約35億3900万円となり、その間にe-Sportsが位置する規模感だ。
海外ではe-Sportsがメジャースポーツに比肩する盛り上がりを見せている証左である。e-Sportsの競技人口は1億人以上いると言われている。「これは野球やゴルフよりも多く、テニスに匹敵する規模だ」と、板垣氏は語る。
世界に遅れを取る日本のe-Sportsシーン
しかし、諸外国の盛り上がりと比べ、「日本のe-Sportsシーンの取り組みは先進的とは言い難い」と板垣氏は指摘する。
その理由のひとつに景品表示法による大会賞金の上限が、海外の大会と比べ盛り上がりに欠ける要因といえる。こうした現状も、e-Sports業界団体の、JeSPA、e‐sports促進機構、日本eスポーツ連盟の3団体に、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)と一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)を加えた5団体が統一団体を結成したことで、「大きく状況は前進する」と板垣氏は期待を込める。
まずは今年2月に幕張メッセで開催されるゲーム大会「闘会議」が試金石となるだろう。