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給与明細、じっくり見てる?20代で知っておきたい正しい見方/勤怠・支給編

コラム

残業手当の計算の仕方、知っている?

女性 悩む

 次は残業手当です。皆さんは残業手当がどのように計算されているかご存知ですか? こちらはちょっと複雑な部分もありますので少し頑張ってついてきて下さい。

 まずはあなたの賃金の1時間当たりの単価を求めます。時給の場合はそのままの金額ですが、月給の場合は少し複雑です。

 1か月に支払われる基本給と諸手当の合計から、通勤手当、家族手当、住宅手当等の一部の法律で決められている手当を除いた金額を、1か月の平均所定労働時間で割って求めます。

 1か月の平均所定労働時間とは、1年間平均して1か月あたり何時間働くことになっているかという時間数です。会社の年間休日数や、あなたが1日何時間仕事をすることになっているのかで決まります。

月給(一部の手当を除く)÷ 1か月平均所定労働時間数 = 1時間あたりの賃金

 残業をした場合は、この1時間あたりの賃金を割増して、時間数に応じて支払うルールとなっています。割増の率は次のとおりです。

時間外 25%増(1日8時間、週40時間を超えた時)
休日 35%増(週1日の法定休日に働いた時)
深夜 25%増(22時から5時までの間に働いた時)

 時間外労働をして、なおかつそれが深夜の時間帯であれば25%+25%で50%増の単価になります。また、大企業の場合は1か月の時間が60時間を超えると割増率が50%になります(中小企業も2023年4月1日から)。

 残業代が正確に計算されているかを自分で確認するのは容易ではないでしょう。もし総務部など、実際に会社の給与を担当している部門に話を聴くことができるようであれば、一度質問をして、計算のルールを教えてもらう機会があると良いですね。

 基本給、各種手当、残業代などが合計された金額が「総支給額」。税金や保険料を引かれる前の、会社からあなたに支給される金額がこれで決まりました。

<TEXT/特定社会保険労務士・澤上貴子>

さわかみ社会保険労務士事務所代表。特定社会保険労務士/健康経営エキスパートアドバイザー。会社の発展を支え、従業員のモチベーションを育む労務コンサルティングを目指す。20年以上の豊富な実務経験にもとづく、的確で時には攻めの姿勢のアドバイスと、きめ細やかな対応が評価を得ている。労働諸法令に関する指導・相談・手続・講師業、その他多岐に亘る分野において、良心と強い責任感をもって展開している

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