「Excel時短テク」で集計作業が快適に。SUM以外にも便利な関数が
選択範囲の平均値を求める4つの関数
SUMやCOUNTに次いでよく使われるであろう関数がAVERAGE関数です。こちらは平均値を求める関数ですが、やはり兄弟分の関数として1つの条件に合致するセルの平均値を求めるAVERAGEIF関数と、複数の条件に合致するセルの平均値を求めるAVERAGEIFS関数があります。
例として、書籍の販売データで価格や実売部数の平均値を求めてみましょう。
まずは単純に全書籍の平均価格です。こちらはAVERAGE関数を使って「=AVERAGE(D4:D23)」と入力することで\1,423という値を求められます。簡単ですね。
しかし、1つ注意点があります。もし書籍の平均価格の中に、明らかに桁を誤った\150,000というデータがたった1つ交じっていたとすると、それだけで平均値が\8,498に引き上げられてしまいます。データ全体の傾向を見たいのに、これでは異常値に引っ張られて判断を誤ってしまいかねません。
そんな時に使えるのがTRIMMEAN関数です。TRIMMEAN関数ではデータ全体から最大値と最小値を指定した割合で除外して、残りの平均値を求めることができる関数です。たとえば「=TRIMMEAN(A1:A100,0.1)」とすればA1からA100のセルの値について、上下10%ずつのデータを除外した上で平均値を求めることができます。もし、極端な数値が混ざっていて、それを除外して平均値を求めたいのであればTRIMMEAN関数を使ってみるとよいでしょう。
一見複雑に見える数値だが…
次に、カテゴリが「ビジネス・経済」の書籍の実売部数の平均値を求めます。こちらはAVERAGEIF関数を使って「=AVERAGEIF(A4:A23,”ビジネス・経済”,E4:E23)」と入力します。最初の「A4:A23」は「条件を判別する対象範囲」を示し、次の”ビジネス・経済”は「条件」そのもの、そして「E4:E23」は平均対象範囲を各々指定しています。
最後に、売れ筋ランキングが「10位以内」で価格が「1000円より高い」書籍の実売部数の平均値を求めます。こちらは一見複雑に見えますが、AVERAGEIFS関数を使って、「=AVERAGEIFS(E4:E23,B4:B23,”<=10”,D4:D23,”>1000”)」と入力することで求められます。
最初の「E4:E23」は平均対象範囲を、B4:B23は1つ目の「条件を判別する対象範囲」を、続く”<=10”はその「条件」そのもの、「D4:D23」は2つ目の「条件を判別する対象範囲」を、そして”>1000”はその「条件」そのものを示しています。
AVERAGEIFS関数についてもSUMIFS関数やCOUNTIFS関数と同様に、条件は127個までセットすることが可能です。
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Excelでの集計において最初に覚えておくべき関数としてSUM、COUNTA、AVERAGEという3つの関数と、それらの兄弟分の関数について使い方をお伝えしました。いかがでしたでしょうか。ぜひ、実践で使ってみてください。
<TEXT/株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役 相原秀哉>