オンキヨー破産は必然だった?原因は投資ファンドの“ハシゴ外し”か
事業利益は出るようになったが…
パイオニアホームエレクトロニクスは、買収前から3期連続の赤字。オンキヨーの利益を圧迫するのは明らかでした。
オンキヨーは急いで不採算製品の見直しを図ります。パイオニアのAV事業買収直後を頂点として、売上高が急速に縮小したのはそのためです。その努力により、事業利益は確かに出るようになりました。表面的には買収が成功したように見えたのです。
取引先への支払い遅延が命取りに
オンキヨーは製品ラインナップを急速に見直したことから、仕入債務の返済に窮するようになります。それまでは通常どおり部品を仕入れて工場で組み立て、販売していた製品が、急に出荷できなくなったので当然です。
部品などを調達した際に発生する買掛金が支払われるまでの期間を表したものが「仕入債務回転期間」。資金繰りが適正かどうかをみる指標です。
適正な値は1~2か月と言われています。請求書を発行して2か月程度で支払われていれば、感覚的にも取引先が支払いに窮しているとは思いません。オンキヨーはパイオニアのAV事業譲受前から3か月と高い数値を示していましたが、不採算製品を見直した2017年3月期からは4か月を超えるようになりました。
支払われるまでに4か月もかかるとなると、取引先の不満もたまります。後にこのことが、深い傷を負うことになります。