補助金詐欺、大麻栽培…東京近郊に「ヤバい地方移住者」増えているウラ側
地方創生の一環として近年活発な大都市から地方への移住。だが、人口を増やしたいがあまり、補助金を大盤振る舞いしている自治体も目立つ。誰彼構わず受け入れた結果、全国に「ヤバい移住者」たちが散らばり始めている――。
補助金詐欺と大麻栽培で東京近郊が荒れている
山口県周防大島町に住みながら全国の定住政策に取り組んでいるファイナンシャルプランナーの泉谷勝敏氏によれば、コロナ禍による地方移住はテレワークを前提としているため、やはり都心から近い千葉県や山梨県に集中しているという。
そのなかには、違法ビジネスを営む人間もいるというから見過ごせない。千葉県某市のJA職員、宇津井健一さん(仮名)が話す。
「田舎のスローライフに憧れ、会社員を辞めて農家を始める人が一気に増えています。千葉県でも農業に従事する人の減少は著しいので嬉しいことではあるのですが、農業を甘く見ている人があまりにも多すぎます」
移住者自ら農業を始めるパターンと、まずは農家で働き、ノウハウを学ぶパターンがあるそうだが、どちらをとっても問題が続発している。
「農家というのは、ニワトリと同じ時間に起きて作業をするものです。前日に飲みすぎたなどの理由で休むなど言語道断。そんな人に農家で働く資格などありません。農業を家庭菜園くらいに思っているようですが、気が向いたときに水をあげるくらいで成り立つ仕事ではありません。そして、圧倒的に知識不足。せっかくの畑をダメにしてしまうのです」
畑を放置して補助金を持ち逃げする人も
宇津井さんによれば、農業に憧れているならまだしも、何も興味がない人間が農業を始めるケースもあり、頭を抱えているという。
「私の自治体では、新たに農業を始める人に対して数百万円単位の貸し付け型の補助金を出すことも珍しくありません。なんと、畑を放置して補助金を持ち逃げする人がいるのです。現状、そんな事案を3件抱えています。本当に信じられない。これは詐欺です」
この補助金は返済期間が15年と長めに設定されている。そのため、持ち逃げされたとしてもすぐに詐欺罪に問うことは難しいというが、明らかに返済の意思がない場合、立件もありうるだろう。