鳥取県を「日本一の県」に!空き家問題の“おせっかい”な解決法
養蚕飼育所を活用することが大事
そのほかにも、現在「まち協」が事務所を置いている「しかの心」。この建物はもともと養蚕飼育所として建てられ、養蚕業が廃れたのちは学校校舎や公民館としても利用された歴史をもっています。
こういった古い建物を、歴史的価値を守るため、あるいは景観を守るために保存することは大事ですが、それだけでなくそれを活用していくことが大切です。建物を改修しても、そこに人の血が通わなければ「地域の資産」にはなっていきません。
「『夢こみち』は、建物はリノベーションできたけれど、料理屋さんをやるノウハウをもち合わせていませんでした。プロに打診をしたけれど、鹿野の人口では商売にならないと断られました」と小林さん。
一つひとつの空き家活用にそれぞれの苦労と工夫が詰まっています。その一つひとつをここで紹介するスペースはありませんが、少なくとも関わってきた人たちのまちへの愛情と誇りがあってこそ成り立つものであり、また一つひとつの苦労が糧となって次につながっているのでしょう。
<TEXT/木田悟史(日本財団鳥取事務所所長)>