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脱毛サロン「キレイモ」金銭トラブルはなぜ起きた?背景に“広告費のかけすぎ“も

ビジネス

新NOVAの採った対策は「前払い」の否定

 対策は「前払い」をやめることでした。月謝制に切り替えたのです。新NOVA経営者の稲吉正樹氏は、以下のように述べています。

「旧NOVAの最大の問題点は、長期の授業料の前払い制にありました。それを、まだ授業も消化していないのに売り上げに計上していたのです。私らはそれを抜本的に見直し、月謝制に改めました。受講生からすると、私たちのサービスに満足いかなければ、いつでも退会していただくことができます」(NIKKEI STYLE「トップは逆境を超えて」より)

 いつでもやめられる。やめても損しない。こういった安心感を与えられる「月謝制」導入は、対策として最適でした。そして、この対策は、今後のキレイモにもあてはまります。

キレイモ、事業再生への道とは

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※イメージです

 給与が払えていない状況を考慮すると、キレイモ単独での事業再生は困難です。スポンサーが現れ、「顧客への返金と当面の運転資金が確保できる」という前提で再生策を検討します。まず従業員への説明です。今、キレイモの従業員は不安でいっぱいのはず。

「顧客に迷惑をかけるかもしれない」「結果として騙していることにならないか」。こういった不安があると、従業員は営業ができません。したがって新規顧客の獲得もできません。

顧客に対し、最後までサービスを提供できる体制があるから安心して」と、従業員に対し、根拠ある説明をすること。顧客への返金時期を明確にすること。そして(当然ですが)給料を支払うこと。これが、短期的な対策になります。長期的には、都度払いなど、新NOVAの月謝制に近い料金体系を導入し、新規顧客の不安感を払拭することです。

 脱毛サロンでは、料金体系に都度払いを導入しているところは多くありません。導入していても、価格を高く設定し、回数の多い前払い制に誘導しています。安価な都度払いの導入は、顧客に安心感を与えるとともに、競合と差別化できる可能性もあります。しかし、現在の顧客の不信感・不安感は相当なものです。今後の経営は困難でしょう。1日でも早い顧客への返金を願うばかりです。

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