19年連続赤字をどう脱した?「レッドロブスター」に聞く日本上陸40年の苦労と成功
ありそうでない独自のポジションを築く
時代とともに外食産業の競争が激化していくなか、レッドロブスターがしぶとく生き残っている理由はどこにあるのか。
益岡氏は「シーフードレストランという唯一無二な存在であり、CM放映等で関東圏では認知度を取れていたこと」を挙げる。
「レッドロブスターのような業態って、実は似たようなお店がありそうでないんですよ。ファミリーレストランやオイスター専門店というわけでもなく、ロブスターからオイスター、パスタやピザ、ステーキなど多彩なメニューを展開している。
このようなタイプのお店は、他社にもあまり存在しておらず、これこそレッドロブスターの強みになっていると思っています。加えて、1982年から店舗展開していたこともあり、地元のお客様の認知や支持を獲得できていたことも相まって、今でも全国20店舗で営業できています」
本国アメリカと日本ではメニューが全く違う
さらに、他の外資系外食チェーンとは異なり、本国アメリカのメニューをそのまま採用せず、日本独自のメニュー展開をしていったことも人気を下支えしている。
「上陸当初のメニューと今とでは全く異なっています。当初はアメリカのメニューを多く出していましたが、なかなか受け入れられなかったので、日本人の嗜好に合うように独自性のあるメニューへと変化していきました。日本で最も人気なのはオイスター、次いでパスタがよく出る商品になっていて、バラエティ豊かなメニューはレッドロブスターの大きな特徴のひとつと言えるでしょう。
また、日本は看板メニューである“ライブロブスター”へのこだわりが強いと感じています。これは主観になりますが、日本の風土として鯛や伊勢エビのような、赤いものに対して縁起の良さを感じる側面があり、ハレの日の特別な機会には『普段頼まないライブロブスターを食べよう』という機運が高まるのではと思っています」