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吉野家「生娘シャブ漬け」発言で浮き彫りになった、“日本のジェンダー意識”の危うさ

ビジネス

日本社会の「同質性のリスク」とは?

おじさん 上司

※画像はイメージです(以下同じ)

「まだ日本がジェンダーギャップ指数120位の男性中心社会、“おじさん社会”であることが大きいと思います。経済界もそうですし、政治の世界もそうですが、企業と政治の意思決定層に女性が非常に少ないままで、ずっときています。120位というのは、先進国やアジア諸国のなかでも最下位クラスで、もっと下位にはイスラム教の国がくるという状況です」

 ジェンダーギャップ指数とは、スイスに拠点を置くシンクタンク、世界経済フォーラムが公表した男女平等度の指標で、2021年3月の数値で、日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位だった。

「どうしても男性、ある一定以上の年齢層の力が強いので、その人たちの言動にはかなり危ういものがある。今の人権感覚やジェンダー意識でいうと、当然アウトなのですが、仲間といると気がつかない。これを同質性のリスクと呼びます。リスクを防止するのは多様性で、特に企業の中の女性の意思決定層を増やしていくことが大事です」

上場企業なら遵守すべきガイドライン

投資

 本稿執筆時点(2022年4月24日)吉野家ホールディングスのHPを見ると社長や常務役員、社外取締役など含め5名、そのうちの1名が女性だ。この男女の比率を変えていくのが大切なのだろうか?

「じつは今、コーポレートガバナンス・コードで、取締役会の社外取締役の数やその多様性に関してもガイドラインがあります。コーポレートガバナンス・コードはソフト・ローといわれて、法律ほどガチガチではないのですが、上場企業なら遵守すべきガイドラインです

 日本だと取締役の中に女性がいない企業は、まだ3分の1くらいあります。吉野家で社外取締役として女性が1名いるというのは、他のいない企業に比べると良いほうです。とはいえ、1人の女性社外取締役だけいればいいというわけではない。多様性と心理的安全性が大事で、誰もが安心して発言したりチャレンジできることが重要です」

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