複雑な作業が10秒で完了。「Excel時短テク」たったひとつの機能でできる
まさにローリスクハイリターン
翻ってピボットテーブルではどのような手順になるか見てみましょう。
【ピボットテーブルを使った再集計手順】
1)さきほど作ったピボットテーブルの「ピボットテーブルのフィールド」で「行」から「顧客名」を外し、替わりに「支社名」を入れ、「列」に「日付」を入れる。
2)出来上がったピボットテーブルの「日付」が入っているセルを選択して右クリックし、「グループ化」から「月」のみを選択してOKを押す。
たったこれだけの作業です。しかもSUM関数を入れる場合と違って、「対象範囲を誤って集計結果が誤る」リスクは皆無です。操作に慣れていれば、30秒もあれば余裕で作業完了できます。
SUM関数を駆使してやっとの思いで集計するのに3時間半近くもかかるのに対してピボットテーブルではたったの30秒。しかも関数では集計ミスのリスクが高いのに対してピボットテーブルではゼロ。どう考えてもピボットテーブルを使わない手はありませんね。
メリット3:元データの変更を瞬時に反映できる
「支社別&顧客別で集計してもらった売上データ、何か所か誤りがあったので修正したのだけど、こちらのデータに差し替えて再度集計し直してもらえないかな」
さあ、今度は「データにミスがあったからこっちのデータに差し替えてください」という依頼です。ここまで一貫してSUM関数を駆使して集計してきた人なら「冗談はやめてくれ」と泣きたくなることでしょう。それでは、この作業をピボットテーブルなしでやってみるとどうなるでしょうか。
【SUM関数を使った修正手順】
1)集計元データを新しいものにコピー&ペーストで差し替える。
2)先ほどの【SUM関数を使った再集計手順】の1~5を再度行う。
つまり、実質的に「最初からやり直す」ということになってしまいます。その理由は、元データの支社名や行数などの変更が含まれていた場合に、そもそも支社名のリストを作り直したり、関数に含める元データの取得範囲を全て見直したりする必要が発生するからです。
それを1つずつ検証して修正するよりは、まだ1から作り直した方が信頼性の高い集計結果を得られるはずです。もちろん、先ほどの例と同様に3時間半ほど追加でかかることになります。