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R-1決勝進出のピン芸人が語る、今も“塾講師”を続けるワケ「下ネタは絶対できない」

暮らし

下ネタは絶対できない

寺田寛明さん

――ちなみに、塾講師の仕事を始めたきっかけは?

寺田:中学校1年生から高校3年生まで通い続けていた地元の塾に、大学生の頃からバイトとして入り、そのままずっと働いている感じです。なので、今の塾にはもう17~18年いることになりますね。大学生くらいまでは本当に人と会話をすることが苦手だったので、コミュニケーションのリハビリのつもりで塾講師を始めました。

 個人経営の塾なのでいろいろと融通も利くし、塾のプリンターでフリップを印刷させてもらったりもしています(笑)。

――塾講師経験が、お笑いに生かされていると感じるときはありますか?

寺田:塾講師になってから、自分の普段の口調がだんだんと“説明っぽく”なっていったような気がします。それをフリップネタにはそのまま生かせたので、その点に関しては良かったと思っています。あとは塾がすごく自分の活動を応援してくれていて、とても嬉しい反面、少し恥ずかしいですね(笑)。

 塾が僕のことを隠す気が全くないので、生徒もみんな知っていて。生徒だけならまだしも、親御さんも一緒にネタを見てくれていたりするんですよ。だから、下ネタとか絶対できないんです。そう考えると、同じ事務所でピン芸人のルシファー吉岡さんはずっと下ネタをやられていてすごいなぁと、ちょっと尊敬しましたね。知り合いや、その家族も見ているだろうに。あれを続けていられるのはカッコいいなと思います。

R-1決勝で使えるネタを1年間考えていた

――ご家族で見ても安心な寺田さんの芸風ですが、今年のR-1で披露されたネタ「始まりの歴史」はどのような経緯で生まれたのでしょうか?

寺田:今では世の中において当たり前とされていることでも、よくよく考えたら「これ最初に考えた人って変じゃない?」というようなことをネタにしてみようと思いついて。ただ、それだけでは切り口として弱いので、勉強とか知識に結び付けられないかなと考え、「ライト兄弟も最初はバカにされていた」という事例を導入に採用しました。

 ネタの作り方としては、言いたいボケが先に思いついて、そこから題材を練ることが多いです。ボケを出すことは得意なのですが、題材を考えるのはすごく大変で。この1年間はずっと、R-1の決勝で使えるネタを作ろうという意識で取り組んでいたのですが、「始まりの歴史」ができたのは2021年の11月~12月頃で、結構ギリギリだったんですよ。

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