Netflix会員数減少、株価3割急落「サブスク市場」も受難の時代が到来か
コロナ禍で躍進した動画配信サービスも、ついに陰りが見え始めているようです。業界最大手であるNetflixの2022年度第1四半期(1~3月)決算では、純利益が前年第1四半期よりも20%減少し、会員数も2021年度末より20万人減少しました。
成長が続くと見られていただけに市場の反応も大きく、決算発表後1日で株価は35%も下落しました。一方で旅行・レジャー業界は回復に向かっており、「巣ごもり需要」に頼ることも難しくなっているのかもしれません。Netflixの減速はいわゆる「サブスク」市場の限界を表すのでしょうか。同社の業績や他社の動向から、Netflixだけでなくサブスク業界の今後についても考えていきます。
始まりは「DVDのオンライン予約サービス」
動画配信サービスで知られるNetflixですが、その創業の歴史を振り返ると、1998年に世界で初めてDVDのオンライン予約サービスをスタートしています。サイト上で観たいDVDを選んで予約すれば宅配で届けてくれるため、レンタル店に行く必要がありません。また、各地に点在するレンタル店よりもDVDの種類が豊富なことも、人気の秘訣でもありました。
月額およそ16ドルで一気に4本まで借りられる「マーキー・プログラム」を提供しており、当時からサブスクリプションサービスを展開していたようです。2002年にはナスダック市場に上場しました。
動画配信は2007年から。現在の会員数は2億人以上
そして、2007年からはストリーミング方式の動画配信サービスを提供し始めました。背景にはPCの普及やネット回線の改善によって、動画配信のハードルが低下したことがあげられます。PCだけでなくゲーム機向けの配信にも当初から力を入れていました。
2009年には会員数が1000万人を突破、その後は海外進出にも注力し、2015年には日本にも進出しました。ちなみに2015年は「日本のVOD(動画配信)元年」とも言われています。翌2016年には配信先が190カ国を超えて2017年には有料会員数が1億人を突破、2021年末時点で約2億2000万人を数えます。