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東京郊外の生活にハマった30代男性の主張「地元新潟のほうが全然都会だった」

コラム

アウトドアを楽しむには最適な環境

田舎

 自宅最寄りの武蔵五日市駅まで迎えに行くと、改札口から出てきた友人からの第一声は「遠いよ!」。新潟駅から東京駅まで新幹線に乗っていた時間よりも東京駅からもここまで来るほうが時間がかかったと疲れた顔でボヤかれます。

「東京っぽくないと散々言ってた意味をようやく理解してもらえましたが、『こんなの詐欺だ!』って一言にはさすがにイラッとしました。この街だって良いところはたくさんあったし、生活するうちに案外住みやすいと感じるようになっていたので。だから、『バカにするな! あきる野市民に謝れ!』って言い返しました(笑)」

 ちなみに大石さんがこの街を好きになった大きな理由は、職場の先輩たちに誘われて始めたアウトドア。すっかりハマってしまったそうで職場の方だけに限らず、同じ首都圏上京組の同郷の友人たちと一緒にバーベキューやキャンプ、渓流釣りなどを楽しむようになったそうです

子供をこの街で育てたいと思うように

「キャンプ場だけでも自宅から車で30分圏内に10か所はあるので移動もラク。衝動的にひとりキャンプをしたことも何度もあります。近くにある秋川渓谷は解放感があって自然に浸れるし、平日の朝はほとんど人がいないからたまに早起きして散策したりしていました。森林浴でスッキリした気分になれるし、これは近所に住んでいた人間の役得かなって

 買い物も隣の八王子市に行けば、たいていの物は手に入り、ほかにもネット通販もあるので困ることもなかったそう。そのため、都心に行くことは滅多になかったといいます。

「間違いなく奥多摩に行っていたほうが多いですね。現在は結婚して市内の別の場所に住んでいますが、子供を育てるにはむしろあきる野市みたいな環境が良いはず。自分にとっても合っていたんだと思います」

 大学時代に想像していた未来予想図とは完全に別物になってしまったようだが、結果的にはそれでよかったのかもしれませんね。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[上京して驚いた話]-

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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