竹取御殿、海峡…居酒屋「協力金終了→倒産」が連鎖。飲食店に近づく悪夢の大倒産時代
回復薬か毒薬か? 助成金の効果
助成金・協力金の効果は絶大でした。居酒屋最大手のワタミは2021年4月から12月までで28億5200万円の営業損失を計上しましたが、33億8100万円の助成金を得て経常黒字となりました。「塚田農場」のエー・ピーホールディングも同期間で23億8600万円の営業損失となったものの、43億300万円の助成金を得ています。
政府はコロナで満身創痍となった居酒屋を救済したのです。居酒屋を中心とした飲食店が苦境下にあることは誰の目にも明らかでした。コロナ禍で凄まじい数の倒産が出るとの噂もありましたが、事実はその逆です。
東京商工リサーチによると、2021年の倒産件数は6030件。1990年以来の6000件台で歴史的な低水準となりました。
倒産の内訳を業種別に見ると、サービス業が2007年で前年比22.6%の減少。飲食業は842件から648件、宿泊業は118件から86件にそれぞれ減少しています。
協力金を失うと堰を切ったように倒産
しかしながら、まん延防止等重点措置が解除され、協力金が当てにできない状況になると、突如として飲食店の倒産が相次ぎます。2022年3月15日に「珈琲&無国籍ダイニング 海峡」などを運営していた株式会社海峡が倒産。負債総額は14億2000万円とみられています。
3月16日にはラーメン店「中華そば勝本」の株式会社勝本が破産手続きの開始決定を受けました。勝本はホテルのフレンチの総料理長が作るラーメンが評判となり、行列のできる店として知られていました。負債総額は14億円です。
3月29日には人形町のから揚げ弁当「からっ鳥」の株式会社いなきんが破産。負債総額は3000万円の見通しです。
大型倒産となったアンドモワ。中規模の海峡と勝本、小規模のいなきん。飲食店を経営するさまざまなタイプの企業が倒産へと至っています。