“郊外の覇者”イオンモールが「東京23区」に初出店!驚きの「人気タウン」に決まった背景
「都市型店舗」を増やしつつあるイオン
さらに、以前はほとんどが郊外立地であった大型ショッピングセンター業態「イオンモール」も都市型店舗の開発を進めており、2010年にJR京都駅南口、2014年にJR岡山駅前、2015年にJR旭川駅ビルなどに相次いで出店。今回の東京・自由が丘駅前、そして横浜駅前へのイオンモール運営施設出店も、こうしたイオンの都市型戦略の一環とみることができる。
イオンが傘下に収めた旧マイカル(サティ)やダイエーなどの建物は、都市部の好立地でありながらも古い店が少なくなく、時代に合わない造りであったり、老朽化が深刻なものもみられる。
近年、イオングループは都市型戦略に合わせてこうした好立地にある古い店舗の建て替えを積極的に進めており、自由が丘や横浜駅前以外でも、今年3月には名古屋市の地下鉄上飯田駅近くにあった旧ダイエー店舗を中規模の都市型ショッピングセンター「イオンそよら」へと建て替え開業させている。
老朽化で耐震化問題も取りざたされていた
今回、跡地にイオンモールの店舗が出店する旧「ピーコックストア自由が丘店」、旧「ダイエー横浜西口店」はいずれも1968年の開店で老朽化が進んでおり、耐震化問題も取りざたされていた。
イオンが傘下に収めた企業の店舗は、首都圏のみならず名古屋近郊や阪神地区、仙台や福岡などといった都市部にもまだ数多くあり、なかには近い将来の再開発が計画されているものも存在する。それゆえ、今後も「傘下に収めた老朽店舗」の敷地を活用するかたちでの「都市型イオン」は増えていくことになるであろう。
<取材・文・撮影/若杉優貴>