「爆撃なんて怖くない」と笑う子供も…ウクライナ入りしたジャーナリストが語る“戦争のいま”
停戦協議で一定の歩み寄りを見せ始めたかのように見えたウクライナとロシア。だが、いまだロシアによる軍事侵攻は続いているうえに、首都キーウ(キエフ)近郊のブチャではロシア軍による虐殺行為が明るみになっている。戦禍のウクライナで人々ははどんな思いで過ごしているのか? いち早く現地入りした香港人ジャーナリストが詳細を語った。
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「香港と似ているように感じた」
「香港と似ているように感じたんです」。こう話すのは香港に生まれ、民主化デモに参加してきたジャーナリストのクレ・カオル氏。誰よりも早く、2月18日にウクライナの首都キーウに入り、現地で取材を続けている人物だ。
「2020年に起きたベラルーシ大統領の辞任を求める反政府デモを取材していたときに、何度もビザラン(ビザの滞在期限前に出国、再入国すること)のためにキーウを訪れていたのですが、それから親しくなったウクライナの人たちが、ロシアによる侵攻の話が取り沙汰されるなか、どう過ごしているのか気になった。それでキーウ入りした直後に、戦争が始まったのです」
命の危険にさらされながらの取材
以来、1か月半にわたってキーウに滞在し、時に命の危険にさらされながらも取材を続けている。
「キーウ西部の激戦地イルピンへ取材に行ったときには、事前に耳にしていた情報に反して、ロシア軍が付近を封鎖していて検問に捕まってしまいました。多くの記者が所持品を没収されたほか、射殺された記者もいたので恐怖しましたが、僕は運よくすぐに開放された。けど、逆にロシアのスパイと見なされてウクライナ軍に殺されるんじゃないか?という不安もあって、気が気じゃなかった」