スカイマークは巨額投資が引き金で倒産…実はヤバい会社の“決算”の特徴5つ
危険な企業を見抜く、もうひとつのヒント
「また、粉飾決算をしている企業では、売り上げの前倒し計上や架空の売り上げ計上を行う傾向があるので、売上債権や棚卸資産が急増したり、資金を不正に還流させることで営業CFと投資CFのバランスが急激に反転したりと、不自然な動きが見られます」
商品やサービスを販売してから代金を回収するまでの日数である「売上債権回転期間(=売上債権/1日あたり売上高)」も、危険な企業を見抜くヒントになるという。
「現金化できない架空の売上債権が溜まると、回収期間は必然的に延びます。コンサル会社なのに売上債権回転期間が300日を超えるなど、回収期間が業界の平均より長期化している場合は、その会社の経営状況を疑ってみるべきです」
黒字倒産の予兆も
同様に、黒字倒産の予兆も読み取れる。
「借金をして過剰在庫(棚卸資産の増大)を抱えたり、身の丈に合わない投資で投資CFが大幅なマイナスに陥っている場合、エアバス購入の巨額投資が引き金で倒産したスカイマークのように、将来的に黒字倒産のリスクがあります。
CFの視点で見れば、決算書が公開されていない中小企業の場合でも『在庫が積み上がる』『現金払いの案件が増える』といった変化から会社の経営リスクを推し量れる。数字と現場は地続きですから、現場の感覚と数字の整合性が取れない場合は、どんなに表向きの数字が良くても、危機感を覚えるべきでしょう」
数字は嘘をつかないが、数字を使って嘘をつくことはできるのだ。