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若手が低待遇で酷使される「危ない会社」5つの特徴。ジョブ型の悪用で残業代カットも

学び

給料が下がる…ジョブ型の悪用も

嵩原安三郎氏

嵩原安三郎氏

 ただし、ジョブ型雇用には問題点もある。労働問題に精通する弁護士の嵩原安三郎氏@yasusaburot)が指摘する。

「能力や成果に応じて給料が上がった人もいれば、下がった人もいるというのがジョブ型の本来の形。一方、ジョブ型で給料が下がる、労働環境が悪化する人ばかりというのは、単に残業代を支払わないなどのコストカットの手段として悪用しているだけ。むしろ、成果次第で給料が上がるとなれば、やる気になって、給料が上がる人が増えるほうが自然です

 実際には「社員にもかかわらず、『業務委託契約』にサインさせて社会保険も負担しない」「残業代を支払わない『偽装業務委託』を行う」など、悪らつな会社も多いと嵩原氏。会社がジョブ型や業務委託契約を取り入れ始めたら、意図を見極めることが大切だ。

危ない会社の【働き方】の特徴

[危ない会社]の特徴

1. 斜陽にもかかわらず、採用が正社員ばかり
2. 離職や出戻りに厳しく、生え抜きを優遇する
3. 社員が安心できず、疑心暗鬼で働いている
4. 会社にしがみつく中高年が危機感なし
5. ジョブ型や業務委託で軒並み待遇が悪化する

<取材・文/週刊SPA!編集部>

【沢渡あまね】
ワークスタイル&組織開発専門家。作家。あまねキャリアCEO。なないろのはな取締役。著書に『なぜ、日本の職場は世界一ギスギスしているのか』(SBクリエイティブ)など

【渡部 卓】
産業カウンセラー。帝京平成大学人文社会学部教授。ライフバランスマネジメント研究所代表、エグゼクティブ・コーチ。関連著書、研修などで多数の実績がある

【嵩原安三郎】
弁護士。フォーゲル綜合法律事務所・所長。労働、ハラスメント問題などに精通し、テレビ出演多数。著書に『交渉上手』(三笠書房)など

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