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水タバコ「シーシャ」を日本に広めた社長の決意「編集者で稼いだ金を全額投入」

ビジネス

大手が参入しにくい業界

チルイン

シーシャを吸う杉山氏

――最初はどこに出店したのですか?

杉山:店を出したのは、高円寺ですね。吉祥寺と下北沢にはシーシャ専門店がありましたが、高円寺にはシーシャが吸えるバーがあってもシーシャ専門店はなかったので。初期費用は100万~200万円でした。店を出す前は、高田馬場の「あかね」という店で1年間くらい間借りしてシーシャ屋をやっていました。早稲田の学生や外国人留学生が来てくれてましたね。

――続々と事業拡大をしていますがシーシャに目をつけた理由はあったのでしょうか?

杉山:シーシャは大手が参入してきてもあまりアドバンテージがないんですよ。仕入れのほとんどがタバコ税で、1キロあたり約1万5000円に、さらに送料が上乗せされるので原価率を大きく下げることは不可能です。また、「たばこ規制枠組条約」によって広告宣伝をたばこの販売所や喫煙所以外の公共性の高い場所で行うことを禁止されているので、広告がまったく打てないんです。昔はネットに広告を載せることができましたが、今は完全に出せなくなってしまった。大手が参入してきたとしても、認知度で遅れを取ることがないなと思いました。

3店舗目からシーシャを本業に

チルイン

チルアップ新宿歌舞伎町店

――いつからシーシャ屋が本業になったのでしょうか?

杉山:3店舗目を作ったあたりからですかね。まだ副業だったときは、家を引き払って高円寺の店に住んでいました。5年間、店に住んでいましたね。昼にインタビューして、夜に原稿書いて、取材で店を離れなきゃいけない時はスタッフに任せて。風呂はジムを契約して、運動ついでにシャワーを浴びて、夏はパンツを履かずに海パンとサンダルで過ごしてました。シーシャ屋が軌道に乗ってきてからちゃんとしようと思って、今はきちんと家に住んでます。

――どのような計算で店を増やしていったのでしょうか?

杉山:とにかく人が多いターミナル駅に出すことを目指しました。2店舗目は渋谷に出しました。昔はターミナル駅にシーシャ屋はなく、ケバブ屋さんやエジプト料理屋で料理のついでにシーシャを出してるところしかなかったのでいけると思いましたね。

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