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水タバコ「シーシャ」を日本に広めた社長の決意「編集者で稼いだ金を全額投入」

ビジネス

 若者を中心に愛好者が増えている「シーシャ(水タバコ)」文化。アンダーグラウンドなイメージが強かったが、ここ数年はオシャレなインスタ映えスポットとして注目が集まっている。

チルイン

チル株式会社代表取締役の杉山祐さん

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 都内を中心にシーシャ専門店を経営しているチルイングループ。ターミナル駅を中心に出店し、今は、計22店舗を運営しており、シーシャ業界最大手である。なぜ、アンダーグラウンドの文脈だったシーシャに目をつけたのか。いかにして、店舗を拡大していったのか。創業者であり、チル株式会社代表取締役の杉山祐さん(43歳)に話を聞いた。

シーシャとの出会いはアングライベント

――「チルイン」はここ10年で急激に店舗を増やしてますが、シーシャ屋を出そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

杉山祐(以下、杉山):きっかけはイベント会場でシーシャというものに触れてからですね。前職の繋がりで「デパートメントH」という「東京キネマ倶楽部」で毎月開催されている日本屈指のアンダーグラウンドイベントにいった時に、シーシャブースを出してる人がいて、「これおもしろいね」となって、手伝いをさせてもらいながら色々教えてもらいました。

――前職は何をしてたのですか?

杉山:もともとはフリーで編集者をやっていました。2010年代当時、出版業界はすでに下火で、周囲でも徐々に仕事がなくなっていって、いつの間にか地元のコンビニで働いてますという人が多くて、自分もその路線だなと危機感を持っていました。記事も書くし、DTPもやるしの“なんでも屋ライター”だったので、いつか仕事がなくなるだろうなと。

最初は副業のつもりだった

チルイン

チルイン渋谷センター街1号店

杉山:出版業界に入った経緯も、大学の学部が文学部史学科考古学専攻という潰しの効かない学部だったので、就職活動に失敗して、風俗情報誌の『MAN-ZOKU』編集部にアルバイトから入りました。その後、宝島社に入って、契約社員だったのですが、そこも辞めて、エイ出版社に入ったのですが、「会社員は無理だ」と思ってフリーランスになりました。

――そこから編集者も辞めてシーシャ屋を出すことになったのですね。

杉山:しばらくは、シーシャのほうが副業でしたね。このままだと仕事がなくなると思っていたので、歌舞伎町のゴールデン街のバーで働いていて、飲食店を出すことも考えたのですが、アドバンテージがないものをやっても勝てるはずがないと思いました。いろいろな副業を考えたのですが、専門店がほとんどないシーシャ屋ならいけるだろうと。

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