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“ネット規制が厳しい”中国に赴任した会社員の本音「1番辛かったのは…」

コラム

中国赴任中はネットの利用時間が激減

 そんななか1番辛かったのはYouTubeの閲覧規制。日本に住んでいたときは、毎日1~2時間は見ていたという動画フリーク。それが中国赴任中は見られないため、かなりのストレスだったに違いありません。

「日々の習慣というか楽しみを奪われたわけですからね。登録してた好きな動画チャンネルを見られないことがこんなにしんどいとは思いませんでした。赴任中は3~4か月に一度、本社への報告などを兼ねて日本に一時帰国できたのですが、その間に動画をダウンロードしまくってましたね

 その一方、日本のアニメやドラマなんかはほとんどタイムラグがない状態で中国のサイトにアップされており、そっちに関しては困らなかったです。まあ、全部違法サイトだと思うので、これはこれで問題なんでしょうけど(苦笑)」

 それでも日本にいたころよりもネットを使う時間は大幅に減り、その分を読書やほかの事に充てるようになったといいます。

ネットの閲覧規制のある国にはもう住みたくない

中国 SNS

「以前は休日も家でネット動画を見てダラダラ過ごすことが多かったんですけど、上海に住んでいた時は街歩きや小旅行とかもよくやっていました。ネットが使えないなりにせっかくの異国での生活を楽しもうとはしていたし、それに関してはよかったかなとは思っています」

 ただし、駐在員として再び中国に赴任するのは「もうこりごり」と黒沢さん。

「開き直ってポジティブに考えるようにしましたが、やっぱり今まで使っていたツールが使えない、普段見ていたサイトが見れないのはキツいですよ。前回の赴任はコロナの影響で3年が1年半に短縮されたんですけど、あれは本当に助かった。短期の出張ならまだいいですが、住むなら断然ネットの閲覧規制がない国に限ります

 日頃、私たちが何気なく利用しているサイトやアプリもそれが当たり前すぎてありがたみを感じている人は少ないはず。でも、実はそれって大変恵まれたことだったのかもしれませんね。

<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(@zzz_illust)>

特集[残念な引っ越し体験]

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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