創業100周年の象印マホービン、「おしゃれ家電」に見た活路。累計37億円超の売上に
日々の暮らしを豊かにする生活家電。最近は、インテリアとしても映える「おしゃれ家電」も各メーカーから多数発売されている。
そんななか、シンプルかつ機能的なおしゃれ家電として支持されているのが象印マホービンの「STAN.(スタン)」シリーズだ。2019年2月に発売して以降、2年間でシリーズ累計の売上が約37億円に達している。
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同ブランドを手がける象印マホービン株式会社 デザイン室長/プロジェクトリーダーの堀本光則氏に「STAN.」を開発しようと思ったきっかけや今後の展望について話を聞いた。
創業100周年の節目にふさわしい商品を
象印マホービンは、社名にある魔法瓶を筆頭にして成長してきた会社である。魔法瓶の生産シェアではトップを誇る大阪に本社を構え、1963年に発売した「ハイポットZ型」は大ヒット商品となった。
そして、創業100周年という節目の年となる2018年。過去の歴史に習うように、象印マホービンは新たに次世代に愛される新商品の開発プロジェクトが立ち上がった。
「100周年という節目を迎え、これからは新しい世代に向けた商品を作っていく必要があると感じていました。象印マホービンが100年続く老舗企業ゆえ、年齢の高いシニア層には認知度が広まっているものの、20~30代にはまだまだブランド認知が弱かったからです。そこで、20~30代の世代に届けられるような商品企画を考えるようになりました」
デザイン性に富んだおしゃれ家電に勝機
象印マホービンの売り上げの構成比で言えば、家電製品が多くの割合を占めている。そんな状況下、メインの家電製品で新たな付加価値を生み出せる商品を考えるうちに着目したのが、BALMUDA(バルミューダ)やBRUNO(ブルーノ)といったおしゃれ家電だった。
「これまで競合他社といえば、主に日本の老舗ブランドでしたが、海外ブランドや新興ブランドが次々と参入し、機能性はもちろんデザイン性にも優れていたんです。こうしたインテリア性に優れた商品を、我々としても出していかないといけない、と考えていました」