100億円市場の大麻由来「CBD商品」の裏側。ブームで違法な業者も野放しに
茎と種に限定した部位規制は時代遅れ?
その議連の検討課題として持ち上がっていることのひとつが、「大麻の部位規制」の改正だという。
「現状では成熟した茎と種から抽出されたCBDの非医療分野での使用が認められていますが、茎と種に限定した部位規制は時代遅れ。世界でも日本ぐらいのものですから、こんな規制があるのは。だから、成分規制へと変更して、THCの制限値を設定すべきだというのが私の考え。アメリカなら0.3%、オランダなら0.05%と許容できる含有量を定めている。日本もそれにならって成分で規制するようしてもいいのでは?と考えています」(松原氏)
今後どのような方向性で、CBDに関する法改正は進むのか。
「まずは医療分野でのCBDの使用が進みそうですが、CBDが医薬品として承認されると非医療用の使用に制限かけられる可能性がある。オイルなどの使用が規制されないよう、部位規制・成分規制の検討と並行して、食薬区分をしっかり考えていく必要があると考えています。健全な大麻成分の活用を目指すためには、海外ではすでに取り入られている“カンナビオール税”の導入も今後の検討課題になっていくでしょう」
<取材・文/吉岡 俊 石井和成 池垣 完(本誌)>
【松原仁】
立憲民主党所属。民主党政権時代に国家公安委員長、拉致問題担当大臣などを歴任。’21年6月発足のCBD議連事務局長のほか、オンラインゲーム・eスポーツ議連事務局長を務めるなど政治活動の幅は広い