ドン・キホーテ、経営多角化が裏目に。“32期連続の増収増益”も怪しい雲行き
陰りが見え始めてしまった理由は?
2021/6期まで32期連続の増収営業増益を記録したPPIHですが、最新の収益状況は芳しくないようです。決算資料によると2022/6期第1四半期の成績は次の通りです。
【2022/6期第1四半期】
売上高:4455億円(前年同期比6.5%増)
営業利益:161億円(同、-30.7%)
最終利益:124億円(同、-24.6%)
店舗数:674店舗(21/6期末より7店舗増)
主力のディスカウントストア事業は米国のスーパーチェーンを傘下に置いたため12.5%の増収を記録しましたが、コロナによる国内での人流制限や天候不順が影響し、利益率は低下しました。総合スーパー事業もコロナや天候不順の影響を受け6.3%の減収、営業利益は9割近くも低下してしまいました。
全社業績に占める割合はわずかですが、不動産事業もテナントの撤退が影響し、減収となっています。東京オリンピックの開催期間と重なる2022/6期1Qは、緊急事態宣言の影響が大きく、大幅減収となったようです。
2018年1月に1500円台だった株価は規模拡大とともに伸び続け、コロナ禍での好調もあり2021/3には2700円を突破しました。しかし、その後は下落に転じ、2022年1月時点で1500円台まで戻っています。PPIHはすでにピークを迎えたと考えられており、投資家は同社の現状を厳しく見ているようです。
企業側は成長を見込んでいるが…
今期1Qは不調ですが、同社は2022/6期業績について従来通りの予想値を公表しています。売上高1兆8700億円(9.4%増)、営業利益850億円(4.5%増)、最終利益576億円(7.0%増)の増収増益を見込んでいます。
主力の国内ディスカウントストア事業では従来の「圧縮陳列」からある程度の絞り込みを行うようです。背景にはコロナ禍における外出時間の縮小があります。また、PB商品の開発や低価格化も実施するとしています。総合スーパー事業では店舗のリニューアルや地域・店舗ごとのプライシングで競合との優位性を高める戦略をとるようです。