コロナで浮き彫りになったオンラインイベントの明暗。メロン狩りや、味噌づくりが人気に
2020年から2021年にかけて、コロナ禍は人びとの生活様式に変化を与えた。日常生活だけではない。その影響はあらゆるイベントにも波及していた。
エンターテインメント界における「有料型オンラインライブ市場」(ぴあ総研・2021年2月12日発表)によると、2020年4~6月期に11億円規模であったが、同年10~12月期にはわずか3か月で373億円規模へと急成長。
2021年10月に緊急事態宣言が全面解除されて以降も、リアルイベントとオンラインイベントを融合した形での開催事例は目立っている。
先述のエンターテインメント界に限らず、ビジネスのセミナーや講演会、個人向けワークショップ、はたまた、オンライン旅行など、イベントの形が変化しつつある現在と今後を、業界の当事者はどう見ているのか。
イベントの主催者側と参加者側を繋ぎ合わせるプラットフォーム「Peatix(ピーティックス)」を手がける、Peatix Japan株式会社の共同創業者であり、取締役CMOの藤田祐司さん(@YujiFujita)に話を聞いた。
オンラインの需要は尽きない
2021年に緊急事態宣言が全面解除されて以降「リアルイベントが少しずつ復活してきました」と話す藤田さん。コロナ禍の約2年間を振り返る。
「現状はオンラインイベントのニーズがまだ強い印象です。当初、2021年10月まで緊急事態宣言が長引くとは思わず、もっと早い段階でリアルとオンラインを融合したハイブリッド型のイベントがメインになるであろうと想定していました。しかし、実際は宣言解除後のリアルイベント復活により開催数が増えつつある一方、今なおオンラインイベントを開催する事例が目立ちます」
Peatix発表の「2021年 イベント調査レポート」によれば、オンラインイベントが増え始めたのは、2020年4月に東京都など全国7都府県への緊急事態宣言が初めて発出された時期から。
半数以上が「集客」で課題を抱える
同年5月にはイベント総数も劇的に増えて「会場が不要」「1人でも開催できる」など、主催者側のメリットが多い印象もあるオンラインイベントを新規開催する事例が目立ってきたという。
しかし、現実的には課題もある。オンラインイベントが浸透し始めた当初は参加者側の関心も高かったが、昨今は「集客」に苦戦する主催者側の声も聞こえてくるようだ。
「パソコンやスマートフォンなど、場所を選ばず参加できるオンラインイベントは集客のしやすさもメリットと言われます。しかし、2021年の弊社調べでは主催者のうち65.6%が『集客、視聴者集め』を課題として挙げていました」