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メジャー選手が拳銃で頭を…コロナ禍で「若者の自殺」が急増した米国の現実

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「他人と比べないこと」は自殺を予防?

不安

 ミレニアム世代はフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディア(SNS)を最初に享受した大人の世代だ。

 一方で、これらのソーシャルメディアを通して、他人と自分の境遇や思想など、他人が持っているモノと自分のそれを比べてしまい、他のさまざまな原因と重ね、自殺へ繋げてしまう世代とも言われている。「他人と比べないこと」と助言されても、自覚しない限り無理なことなのかもしれない。

 自殺の予防対策はあるのか? 米国には自殺願望者が無料で専門家に相談できるフリーダイヤル(1-800-273-8255)がある。非営利団体「全米自殺予防・命の電話(National Suicide Prevention Lifeline)」が運営している。24時間いつでも電話カウンセリングに応じており、前述した来夏からスタートする「988番」(「連邦通信委員会(Federal Communications Commission)」が設置)への対応も同団体が行なう予定だ。

「自殺しなくてよかった」研修医

 自殺しようと思って止めた人の声はあるのか? コロナ禍の2020年3月、3度目の自殺を図ったカリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)の研修医、ジャスティン・ブルック(Justin Bullock)さんは、現在28歳。

 躁うつ病と睡眠調節不全に悩まされており、「自殺について誰も話すことができないから、自分が話さなければならない」と告白している(世界最大の医学情報サイト「Medscape」の2021年11月1日付け記事による)。

 ブルックさんの友人であり同僚が2020年1月に自殺したことも引き金となり、自殺を図ったが、その直後、自分の過ちに気づき、自ら救急車を呼び、命拾いした。「自分にとって、自殺未遂の限り、最もポジティブなこと」と明かしている。

ジャスティン・ブルック

※ジャスティン・ブルック(Justin Bullock)さんのツイッターより

 2021年9月1日付のツイッターでブルックさんは「善を尽くして人々を助けたい。しかし難しいこともある。疲れているときは時々これを思い出す」と投稿。「ダメな時もあるという現実を受け入れることが大切」というメッセージとともに「自分を労われるのは自分だけ。自分を大切にしよう」と啓発している。

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