「始業の10分」で何から片付けるべきか?最短で成果をあげる5つの方法
30代は、職業人生の中で最も差がつく10年でその差は、チャンスを掴めるかどうかで決まります。チャンスを掴める人になるのは簡単です。能力の高さではなく、何とかしてくれそう、彼・彼女なら大丈夫であろうという「可能性」を感じる人にチャンスが舞い込むのです。「可能性」を感じる人になるコツはたったひとつ「仕事を断らないこと」です。
誤解があってはいけませんが、仕事を全て受けて自分ひとりで抱え込むことではありません。最短で成果をあげる視点で仕事のメリハリをつけるコツをアップグレードしましょう。今回の連載では、『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の著者で、人事戦略コンサルタントの筆者が解説します。
30代には仕事を断る権限がないのが現実
時間術の教科書にはよく、「緊急度」と「重要度」のマトリクスで仕事を整理するというノウハウが掲載されています。まずは「緊急度が高く」「重要度も高い」仕事を行い、その後、「緊急度が低く」「重要度が高い」仕事を行う時間を確保することが要諦と書かれています。
確かに、重要度は高くても緊急度が低い仕事の中には、本当にやりたい仕事や未来への投資となる仕事が隠れているものです。そうした仕事を先送りしないよう、重要だけれど緊急ではない仕事の時間を確保すべきというのは、誰もが納得するでしょう。
しかし、ここで残念なお知らせがあります。30代のビジネスパーソンにとって、「緊急度」と「重要度」で優先順位を決める時間術は、理想ではあっても現実的ではないのです。つまり、「緊急度」と「重要度」を決める権限が自分にない30代にとって、この時間術はほぼ、機能しないのです。
「おいしいものは最初に食べる」が鉄則
「緊急度」と「重要度」が通用しない以上、仕事を絞り込む軸を変える必要があります。具体的には、「向いている」ことと「成果につながる」ことの2軸で整理するのです。「向いている」こととは、自分の持ち味と言い替えてもいいでしょう。意識しなくても人より速くラクにできることです。「書類作りが早い」「顧客との関係作りが得意」など、どんなものでも結構です。
「成果につながる」こととは、仕事として評価され、結果を出せることです。いくら新規開拓が得意な人でも、会社が「既存顧客を重視する」という方針ならば、既存顧客のリピート率を上げるほうが「成果につながり評価される」仕事になります。まずは、この2つの軸を元に、自分の仕事を整理してみましょう。
整理が終わったら優先順位をつけていくわけですが、一番に優先すべきは言うまでもなく「向いている」ことで「成果につながる」ことです。新規開拓が得意で、会社も新規開拓を求めているならば、それを優先すべき。まさに一番おいしい仕事です。
仕事は一番速く成果を出せる人にお願いしたくなるのが心情です。結果、自然とこうした仕事があなたの下に集まってきて、評価も評判もあがる好循環、無敵モードになります。この状態に持っていくことができれば、あなたの都合で緊急度と重要度を決められるようにもなるでしょう。