男女の枠から出発しない“ゆっきゅん”のフェミニズムとの出会い「すごく救われた」
かわいい服を着ることを自然と諦めさせられていた
――なぜ着たいとは思わなかったのでしょうか。
ゆっきゅん:かわいい服を着たいけど着られないから絵を描くのではなく、描きたいから描くという感じ。環境や社会による意識の刷り込みで、自然とかわいい服を着ることを諦めさせられていたんだと思います。なので悔しさもなく、そういうものとして受け入れていた。
安く写真集を買うような感覚で、『装苑』などのファッション雑誌は読んでいましたが、ファッションへの情熱はそこまでなく、そういうものが近い存在になるとも思っていませんでした。
――人それぞれ、社会の理不尽さや生きづらさに気づくタイミングは違うと思いますが、ゆっきゅんさんが気づいたきっかけはありますか?
ゆっきゅん:理不尽な出来事は地元、東京関係なく起きると思います。高校2年生のときにフェミニズムという言葉を知ってから、社会への問題意識が内在化されました。
フェミニズムに出会い、救われた
――フェミニズムを知ったきっかけは?
ゆっきゅん:岡山県立図書館で『CREA』という雑誌を読んでいたとき、川上未映子さんと穂村弘さんの対談記事「女の人生を決める100冊のブックガイド」という本の特集がありました。
そのなかで紹介されていたフェミニズムに関する本、上野千鶴子の『女ぎらい』、加藤秀一の『知らないと恥ずかしいジェンダー入門』をすぐに読んだんですよね。本では、今まで自分が抱えていたぼんやりとした違和感が言葉にされていました。そしてこの違和感は自分以外にとっても重大な問題であること、学問にもなっていることなのだと知って、すごく救われたことを覚えています。