「コロナの時こそ客に会え」利益優先の古い会社に見切りをつけた25歳女性
新卒で入社した会社が、その人の社会人としての基盤になることは往々にしてあるはずです。しかし、一見おかしなしきたりでも、それが当たり前と思ってしまう可能性があるから怖いものです。
「自分のいる会社が普通だと思っていました。幸か不幸かコロナ禍にならなければそのヤバさに気づかないままだったかもしれません……」
そう語るのは都内のITベンチャー企業で働く高橋由紀さん(仮名・25歳)。コロナ禍で今いる会社に不信感を感じて転職をしたと言います。
リモートワークの対応がなかなか進まない
「2021年春ごろ、緊急事態宣言の発令があり、リモートワークが推奨されていましたよね。世の中の流れに乗って私の会社でも導入されると思っていたのですが、まさかの全く進まずで……。業務内容的には自宅で済むことが多いはずなのに。コロナへの不安とも相まってフラストレーションが溜まりました」
高橋さんの業務はPCひとつで完結でき、コミュニケーションもオンライン会議で事足りるものが基本。しかし、会社のネットにつながないと見られない社内イントラや、ハンコ文化がいまだに根深く、もちろんペーパーレスも進んでいません。ことあるごとに出社を余儀なくされたとか。
「そうした作業ひとつのために、いちいちリスクを背負って出社する意味が私にはよく分かりませんでした」
なぜか必ず出社しているおじさん上司たち
時間が経つにつれ、徐々にその不便さは改善されていったのですが、周囲の企業と比べて遅れをとっている会社に違和感、不信感を覚えたようです。
「年齢の高い上司ほど、理由もなく毎日欠かさず出社していました。在宅勤務のやり方が分からないのか、はたまた家庭内に居場所がないのか……。そうなると自ずと部下も出社しないといけない雰囲気になりますよね」