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第3の創薬技術「ペプチドリーム」

ペプチドリーム

画像はペプチドリーム公式サイトより

 いくら研究開発費を投じても成功する確率が極めて低く、成功したら大きなリターンを得られるのが製薬業界です。入社した研究員が定年退職まで一度も新薬を開発できないことも珍しくはありません。

 成功率が低い理由には人体への悪影響を考慮し尽くさなければことと、すでにさまざまな分子が検討されてきたという背景があります。

 特に低分子医薬品(風邪薬などの一般的な薬)は研究し尽くされた感があり、高分子医薬品(核酸医薬品や遺伝子治療薬など)も研究が進められていますが細胞内の標的を狙えないなどの欠点があります。両者の良いとこ取りをしようとしたのがペプチド医薬品です

 糖尿病治療薬「Rybelsus」などがあげられ、分子量は数百から数千程度のため「中分子医薬品」「第3の医薬品」と呼ばれています。「ペプチドリーム」は東大発のベンチャー企業でその名の通りペプチド医薬品の開発を担ってきました。

成功率の低い創薬事業、成功すれば…

 同社は大手製薬企業から開発費を得て研究するビジネスモデルであり、武田薬品工業と中枢神経系疾患に作用する医薬品の共同研究を進めています。米Merck社とは抗コロナ薬の共同開発契約を結んだようです。

 途中で会計期間を変更していますが、2017/6期、2018/6期、の売上高はそれぞれ48億円、64億円。2020/12期は116億円と規模を拡大しています。

 成功率の低い創薬事業ですが、成功すれば巨額のマージンが入ることになります。ペプチド医薬品の技術向上と同社の規模拡大に期待したいところです

<TEXT/経済ライター 山口伸>

化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー

Twitter:@shin_yamaguchi_

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