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“ちょんまげ社長”が切り込むノンアル市場「発酵ジンジャーエールを世界に」

ビジネス

原価の高さをどうするか試行錯誤

 国内に流通している一般的なジンジャーエールには、生姜がほぼ入っておらず香料のみ。対して発酵ジンジャーエールは、生姜や果物をふんだんに使っている。製法も、シロップを炭酸水で割るのではなくビールのように醸造し、そのまま瓶詰めする伝統的な製法を採用しているので、どうしても原価が高くなってしまうという。

「伝統的で良質なものを提供しつつも、なるべく気軽に手に取って頂ける価格にしないとマーケットがつくれないと思いました。そのために、どのように原価を抑えるかが課題でした。

 そこで、生姜の契約栽培を行ったり、大きく育ち過ぎた規格外のカボスを使用したり、フルーツカット工場で分厚くカットされたパイナップルの皮からとれる果汁を活用したり。いろんな方法を模索しました。それが結果的に、原価を抑えられるだけではなく、フードロス対策にも繋がっています

緩衝材として廃棄された和服を再利用

発酵ジンジャーエール

廃棄される和服の端切れを緩衝材として再利用

 発酵ジンジャーエールの製造を社会課題解決にもつなげているというが、取り組んでいるのはフードロス対策だけではない。

 あるとき、大量の和服が廃棄されていることを知り、なんとか活用できないか考えた。そこで思いついたのが、緩衝材として着物の端切れを再利用するという案だ。現在は殺菌消毒した端切れで商品を包み出荷しているという。

「色とりどりの布で包んでいると、段ボールを開けたときの華やかさが格段にアップします。古新聞に包んでいるより良いなって。普段触れることのなくなった着物の生地に触れることで、少しでも何か感じてくれる方がいれば素敵だな、と思っています」

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