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「ありあり店、なしなし店」って?コンビニ業界のウラ用語

コラム

 多くの人にとって身近な存在のコンビニにも、お客さんとして行っているだけでは分からない業界用語が存在します。

 知っておきたいコンビニ業界の業界用語をチェックしてみましょう!

Q.「ありあり店」ってなにが“あり”なの?

「向こうの店はありあり店なんだよね」

「やばいですねえ」

 何か、“訳あり”なお店なのかなぁ?

ariari

A.タバコとお酒の両方を販売しているお店

 タバコの販売にはタバコ小売販売業許可の免許酒類の販売には酒類販売免許が必要です。両方の免許を持っているお店が「ありあり店」と呼ばれます。

 反対に両方取り扱っていないお店は「なしなし店」といいます。酒類に関しては、元から酒屋さんだったお店がコンビニを開店するパターンが多くあり、お酒を扱えるのはそのようなお店に限られていました。

 近年では規制緩和が進み、“お酒を販売するお店とお店は一定の距離を置かなければならない”という「距離基準」が2003年に撤廃。2006年に既存の酒販売店を保護する「緊急調整地域」もなくなり、お酒を取り扱うコンビニの数が大幅に増加しました。

 タバコは、取り扱うお店とお店の間の距離が法律で定められているため、免許が取れるかどうか考慮してお店の立地を決める必要があります。また、未成年者と知りながら酒・タバコを販売してしまった場合、50万円以下の罰金が課せられたり、販売免許が取り消しになってしまうこともあります。

 そのため、お酒やタバコを販売する際に、レジのディスプレイで「20歳以上です」という確認ボタンをお客さんに押してもらうお店もあります。「見れば分かるだろ」と思ってしまう時もありますが、「お店側はきちんと年齢確認をしましたよ!」と証明するためには必要なステップなのです。

Q.商品が「死に筋」って、どういうこと?

「そのお菓子、死に筋だから覚えておいて」

「え~! 怖いですね」

 腐ってるってこと?

コンビニスタッフ

※画像はイメージです(以下、同じ)

A.人気がなく売れない商品

 コンビニは小面積で商品棚のスペースに限りがあるため、売れない商品を陳列していると売り上げ低下に直結します。売れない・回転率の悪い商品を「死に筋」といい、人気の商品を「売れ筋」といいます

 何百点にものぼるコンビニの商品の中から、いかに「死に筋」商品を見つけて排除していくかは、コンビニ経営において非常に重要なのです。

 コンビニは「POSシステム(ポスシステム)」を導入して商品管理を行っています。このシステムでは、商品のバーコードを読み取ることで、いつ・どのくらい、どの商品が売れたかデータが蓄積されます。このデータを細かくチェックして、回転率の悪い「死に筋」商品は発注しないことが大切なのです。

 また、「売れ筋」商品の欠品もお客さんが離れてしまう原因になるため、常に棚に満タンに陳列できるように発注量に注意しなければならないのです。

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