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五輪で世界が注目!「食品サンプル」会社の女性社長に聞く、変遷とこれから

ビジネス

卒業後、すぐに活躍できる人材を

――業界をなんとかしたいという思いがあったのですね。スクールではどのようなことを学べるのでしょうか。

倉橋:サンプルの作り方だけでなく、デザイナーや商売人として食品サンプルの「売り方」を学んでほしい、また独立してすぐに商売を始められるようにという観点からカリキュラムを組んでいます。

 例えば、サンプルで使用する器だけでも種類はたくさん。そこで、道具屋筋の器屋さんを招き、値段や材質の違いなどをしっかりと学んでもらいます。また、現代はネットショップが無いと商売はできませんよね。そこで、カメラマンの方から商品撮影やYouTubeの方法なども教わっています。卒業生の中には、自分の工場を持ったり、クリエイターとして活動している方もいますし、講師を務めることも増えています。

 望む人材は、これまでのルールを吹き飛ばし、新しい物を作りだせる「クリエイター」。思わず手を伸ばしたくなる可愛いグッズから、芸術的なものまで……。色々な職人さんがいていいと思います。スクールの卒業生たちは、ライバルにあたる一方、共に協力し合える間柄です。意見交換はどんどんしたいし、業界を盛り上げるため頑張ってほしいですね。

コロナでリモートワークも推進

食品サンプル

スクールの上級クラスの作品

――個性豊かな食品グッズや意外な食品をアイテム化したり……。その発想力はどこから来ているのでしょうか。

倉橋:やっぱり、日常生活を送っていても「これは素材に活かせるかも」「このモチーフはいいな」といった目線でものごとを考えてしまいますね。それに、スタッフの意見をたくさん取り入れていることも大きいです。

 現在、うちにいる8人のスタッフは、皆スクールの卒業生。なので「コレ売れるんじゃないですか」というアイデアがあれば、実際に試作品を作れるんです。手始めに10個ほど作ってみて、手応えがあればすぐに商品化……というスムーズな流れができています。

――発案から商品化までがスピーディーですね。ミーティングなどはよくしているんですか?

倉橋:形式ばった会議や打ち合わせなどは基本的にせず、チャットツールでやり取りをしています。「このパーツかわいくないですか?」みたいなアイデアもすぐに共有。新商品を出したら「ここを改良できるんじゃ」ということが意見もカジュアルに交換できます。特に、最近はリモートワークが推進されていますが、チャットツールでのやり取りならどこでもすぐに反応できますよね。

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