今日の昼休みからできる「最強の仮眠法」午後の効率がアップする
長い仮眠がダメな理由
もしかしたら「普通の仮眠でもしっかり(30分以上)と睡眠時間を確保すれば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、コーヒーナップのほうがより効果的なのだとか。
『カフェインの科学-コーヒー・茶・チョコレートの薬理作用』などの著書がある東京福祉大学短期大学部の栗原久教授は、コーヒーと眠気の関係について、以下のように解説しています。
ヒトの脳内には、「アデノシン」と、それを受け止める「アデノシン受容体」が存在しています。
疲労が溜まると、このアデノシンがアデノシン受容体にくっついて脳の働きを遅くさせるため、私たちは疲労感や眠気を感じるのです。実は、コーヒーに含まれる「カフェイン」はアデノシンによく似た物質で、アデノシンの代わりにアデノシン受容体にくっつくことができるのです。
そのため、アデノシンがアデノシン受容体にくっつくことができなくなり、眠気を感じづらくなる、というのがカフェイン覚醒効果の秘密です。
このアデノシンは眠ることで脳内から減らすことができるので、コーヒーナップをすることで、
仮眠(アデノシンを減らす)+カフェイン(アデノシン受容体を埋める)
というように、単に仮眠をするよりも効果的に眠気を取ることができるというわけです。
職場でコーヒーを飲むと健康に!?
長期的なコーヒーナップの習慣は、単に眠気を取るだけでないメリットも生むようです。
コーヒーで有名なネスレ日本株式会社は、2018年4月7日の世界保健デーに合わせ、神戸本社社員のコーヒー飲用量、ポリフェノール摂取量と健康に関する調査を実施しました。
その結果、なんとネスレの社員は平均で日本人の2倍以上に相当する1日3杯以上のコーヒーを飲んでおり、総じてポリフェノール摂取量が多く、血圧、HDL-C(善玉コレステロール)、HbA1c(糖尿病リスクの指標)の正常者比率が高い傾向が見られるなど、健康診断結果が良好であることがわかったそうです。
コーヒーナップでは、カップ2~3杯分のコーヒーを飲むのが効果的なので、日頃からコーヒーナップを習慣付ければ頭がスッキリするだけでなく、健康も手に入れられるかもしれませんね。
さあ、お昼休みのお昼寝タイムをコーヒーナップスタイルに変えて、効率よく眠気を飛ばしてみてはいかがでしょうか。
<TEXT/尾身宗一郎>