家庭に眠る“かくれ資産”は平均70万円。中古品の賢い活用術を専門家に聞いた
コロナ禍で経済的な余裕はないし、年々ひどくなる異常気象で子供が大きくなる頃の環境も心配。考えだせば悩みが尽きない今、世界的に“中古”に注目が集まっている。
とりわけ2018年にニッセイ基礎研究所が、フリマアプリ「メルカリ」の販売額をもとに、1世帯あたりの「かくれ資産」の金額を調べたところ、約70万円にものぼったという(10代〜60代の男女2536名に調査した「家庭の不用品」を、メルカリの価格データで金額換算)。
社会も技術も中古推奨の時代に
コロナ禍で家計は大打撃。一方、税金や社会保険料は増えるばかり。「もう新品なんて買っている場合じゃない!」と、つい思ってしまう読者も多いだろう。
リユース専門紙『リサイクル通信』の瀬川淳司氏はこう語る。
「かつては『中古=粗悪品、不衛生』と思われがちでしたが、そのイメージは大きく刷新されています。今の時代、賢く暮らすために中古品は欠かせません」
「中古市場の拡大は世界的な潮流。米国では、古着市場は10年後にはファストファッションの2倍の規模になると予測されています。
国内でもその傾向は同様で、2025年には市場規模が約3.3兆円に膨れ上がることが見込まれています。フリマアプリがけん引役となり、中古品のネット販売も活況。すでにリユース市場の半分以上をECが占めています」
SDGs、エシカル消費…中古市場拡大の背景
こうした中古市場拡大の背景を、瀬川氏は次のように解説する。
「越境EC(2国間を越えるEC)の利便性の向上などテクノロジーの発達に加え、SDGs、エシカル消費(=倫理的な消費)といった新しい価値観も追い風に。若年層を中心に中古品への抵抗感は薄れ、消費者心理も変化しています。
買う段階で『これはいくらで売れるか?』と再販価値を考える人も増えている。企業もESG(環境・社会・企業統治)対応を求められ、過剰在庫を廃棄処分しない取り組みを積極的に行っています」