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「ワクチン打たなきゃ働かせない」増えるワクチンハラスメントから身を守る対処法

ビジネス

職域接種がある企業や大学では注意を

 企業や大学が集団でワクチン接種を実施する場合は、「接種するのがあたりまえなのに、しないのはありえない」という風潮になりがちです。接客を伴う業界でも今後、スタッフに対するワクハラが拡大することが懸念されます。

 先日、あるサービス業の経営者の人と話をしていると、「今後はワクチン接種を終えたスタッフのみ出勤できる体制をとりたい」と話されていました。スタッフの人に事前に聞き取ったところ、ほとんどの人がワクチン接種をする予定のようです。

 しかし、職場の空気から本音が言えず、本当は接種するかどうか悩んでいるスタッフの人も、無理して接種すると回答している可能性があります。

プライバシー配慮ができていない事例も

噂 驚き

 筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会にもワクハラ被害の相談が寄せられました。職域接種が実施されている大企業で働く20代の人の例では、ワクチン接種をしないと決めて職場の担当者に伝えると、噂が広がり、それ以降は冷たく対応されるなど、偏見の目で見られるようになったとのことです。

 相談者である20代の人は「会社側もワクチンの職域接種は初めての経験で、1人ひとりがプライバシー配慮の面に慣れていない背景もあるので、すぐに会社に抗議を申し入れるよりも、もう少し様子を見たい。まずは相談した事実のみ記録に残してほしい」と話されました。

 コンプライアンス研修やハラスメント研修を定期的に実施しているような大企業でも、ワクチンの職域接種における従業員1人ひとりへのプライバシー配慮、守秘義務を守ることができていない事例があることがわかりました。

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