家飲み特需のキンミヤ焼酎、大手に負けない「人気の秘密」。おすすめの飲み方3選も
家飲みが増えて売上が回復
とはいえ、コロナの前と後で、宮崎本店の売上は一時期、減少した。
「キンミヤは飲食店が主流なので、2021年5月の売上はよくありませんでしたが、4月は94%、6月は97%くらいでしたので、徐々に回復してきています。ただ、飲食店で使っているキンミヤ瓶の売上は6~7割落ち込んでいます。今は紙パックの数字が伸びているため、どうにか保っていますが、それがなかったら厳しい状況でした」
キンミヤといえば一升瓶の印象が強いが、2003年6月には1.8Lの紙パックも販売。卸会社から「瓶だけではなく、紙パックも好調」という声も多く出たという。
「1.8Lのキンミヤパックは『2020年に新たな地域売上No.1になった商品』としてメディアにも取り上げてもらい、今年1~6月のあいだは売上101%まできました。飲食店向けの売上落ち込みを、家飲み向けがカバーしてくれていますが、7月には再び、予期せぬ緊急事態宣言になってしまいましたので油断はできません」
ノンアルコールは断固作らない
大手ビールメーカーがノンアルコール飲料を開発するなか、キンミヤではノンアルコール飲料には進出しない。「あちこちから言われましたが、うちはノンアルコールを一切出しません」と言い切る。
「その代わりに新商品開発に力を入れています。2012年11月、キンミヤ焼酎をシャーベット状にした『シャリキン』を作ったところ、雑誌でも取り上げられるなど人気が出ました。そこに冷えたホッピーや炭酸とかを入れると、シャリキンが氷代わりになるので、最後まで中身が薄まりません。これまで100万本近く売れています」
2021年5月には、さらに小容量の900mlキンミヤ焼酎を紙パックで販売。こちらはコロナ禍での需要増を見込んでコンビニエンスストアに向けて開発したが、予想外なことが起こったといいう。
「現在、大手CVSさんは都内の約800店にキンミヤを入れてもらっていますが900mlの紙パック焼酎を持っていったら、『どうせ置くスペースが同じだから1.8Lがいい』と言われ、今は1.8Lの紙パックを置いてもらっています。900mlの紙パックはコンビニよりもスーパーのほうが冷蔵庫にも入れられることで需要が高くて、少し計算が狂いました(笑)」