開会式、猛暑、選手村のギョーザ…東京五輪をアメリカはどう報じたか
五輪選手村の食事は金メダル級
日本人の食生活は世界で最もレベルが高いことで知られているが、選手村の食事も然りという。2021年7月28日付けのFOXテレビの記事では、食べ物の動画をソーシャルメディア「TikTok」に投稿している選手たちを紹介している。
アイルランドのラグビーのハリー・マクナルティ選手は、パスタ、ピザ、炒め物、日本食、ロティ、ヌードル、ハラール、フルーツ、シリアル、サンドウィッチ、グルテンフリー、ヴィ―ガンなどのコーナーが充実しているダイニングホール内の様子を投稿。
「カマンベールのチーズフライ、春巻き、ラーメンが美味しい。餃子は世界一美味しい!」と感激して投稿しているのは、米国のラグビーのイローナ・マー選手。
わざわざリオデジャネイロ五輪で食べた「焼きすぎで不味かった目玉焼き」の動画を投稿し、「リオデジャネイロ五輪の食事よりバラエティ豊かに揃っている」と喜んで投稿しているのは、オーストラリアのテニスのルーク・サビル選手。
オーストラリアの水球女子のティリー・カーンズ選手は、いかにダイニングホールがコロナ対策をきちんとしていて清潔で安全かを投稿している。
東京の猛暑、史上最も暑い大会と酷評
2021年7月23日付け「ワシントンポスト(The Washington Post)」の記事には、「今年は32度以上の日が続き、史上最も暑い大会となるだろう」とある。
「屋外の競技は天候や気温にかかってくる。東京の夏は27度以上で湿度が高く快適とはいえない。1964年東京五輪の時は猛暑のために10月に延期したのにも関わらず、今回は従来の予定通りの7月に開催した。通常の開催の場合、マラソンなどの観客は50万~100万人。1000人に1人の割合で熱性疲労や熱中症で倒れる人が出る。しかし今年は不幸中の幸いで、コロナ禍のため無観客だから、その被害の心配はない」と予測している。
2021年7月25日付け「ヤフー!スポーツ(Yahoo! Sports)」の記事では、さらに厳しい見解がある。
米国コラムニストのダン・ウェッツェル氏が「日本の五輪組織委員会は天候について嘘をついた。現在、選手たちがその犠牲になっている」「日本は屋外競技を行なうには適していない天候だと知っていたはずだ」と酷評している。
ウェッツェル氏は続けて、「26日の朝、男子トライアスロンの決勝が終わった直後に、選手たちは熱中症で地面に倒れ、トレーナーたちは彼らを救援するために駆け寄り、トレーナーの肩に腕をかけて助けられている選手もいて、その場は戦場のようだった」。気温は29度、湿度は67.1%。早朝の6時半に時間を変更して暑さ対策をしたのにも関わらずの結果という。
日本の猛暑について、テニスのアナスタシア・パブリュチェンコワ選手は「暑さと湿気がキツイ」、ノバク・ジョコビッチ選手は「来日する前から猛暑のことは聞いていたけど、経験してみないと分からない厳しさだ」と述べている。
五輪招致の際、日本の招致委員会は「暑さは弱く、晴れの日が多く、選手たちが最高の競技をするのに理想的な天候」と東京の夏の天候についてアピールしていたことについて、ウェッツェル氏は「暑さが弱い? 理想的? 7月の東京のココの話?」と記した。