職場で「さみしさ」を感じたときの対処法。現役和尚が説く
お釈迦さまがいじめに反論しない深い理由
お釈迦さまの「いじめ」に関する、こんなエピソードが残っています。お釈迦さまが、旅の途中である町に滞在したとき、誰かがお釈迦さまを陥れようとして、悪い噂を吹聴し、そのことで、町の人々がお釈迦さまに悪口や批判を浴びせたのです。
それを聞いて、いたたまれなくなった随行のお弟子さんがお釈迦さまに提言しました。「お釈迦さま、もうここを離れて、別の場所に移りましょう」と。すると、お釈迦さまは、「私は、今、町を出るのは違うと思う。人々の批判の元を見極めて、批判が静まってから町を出よう」とおっしゃったのです。
お釈迦さまの一行は、決して、批判から逃げたり、反論したりすることはしませんでした。しかし、日々の立ち居振る舞いや、行いの崇高さをみて、人々の批判は静まっていったのです。
もしあなたが「集団でいじめられている」と感じたときは、ぜひこの話を思い出してください。なぜいじめられているのか。いじめられている原因は、どこにあるのか。もし自分に反省すべきところがあれば、それは改めよう。
しかし、もし根拠のない噂や、誰かの意地悪から始まったいじめなのであれば、堂々と、淡々と、誠意をもって仕事をこなしたらいい。きっとその姿をみて、8割の人の中から、いじめを恥ずかしく思う人が出てくることでしょう。きっと、あなたへのいじめは、自然と鎮まっていくことでしょう。勇気をもって、堂々と生きて下さい。
<TEXT/佛心宗大叢山福厳寺住職 大愚元勝>