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職場で「さみしさ」を感じたときの対処法。現役和尚が説く

暮らし

ステップ2:怨憎を越える

 怨憎の発生源が自分にあることが理解できたなら、次に、怨憎を超えていきましょう。怨憎を超えるコツは、相手を冷静に観察することです。私の場合、長年格闘技(空手)をやっていたことも幸いして、相手を観察するコツを掴むことができるようになりました。

 空手の稽古でスパーリングをしていると、やりやすい相手と、やりにくい相手がいます。苦手な相手を攻略するには、相手を観察する必要があります。相手の性格、体力、得意技、弱点などを、冷静に観察するのです。怖い、苦手といった感情に左右されるのではなく、冷静に、興味深く、相手を観察するのです。

 それと同じように、職場で嫌いな相手を観察してみるのです。相手の身口意のクセ、性格、技術、知識、仕事ぶりなどを、感情に左右されずに、観察し、分析してみるのです。すると、相手の嫌なところだけではなく、善きところが見えてくるようになります。

 態度は悪いけれど、実は仕事ができる人だった。口は悪いけれど、意外に親切な人だった。考え方は合わないけれど、実は仕事に一所懸命だった。というように、相手を冷静に観察し続けるうちに、怨憎が和らいでいくことがあるのです

自分の居場所は自分で作る

孤独

 新しい職場で、自分の居場所が作れない人がいます。その理由は、新卒の人と、中途もしくは転職した人によって違ってきます。新卒組に多いのは、居場所は与えられるもの、という勘違いです。学校と職場の違いは、居場所を与えられるか、自分で作るかの違いです。

 学校では、先生が居場所を与えてくれます。成績の良し悪しも、性格の良し悪しも関係ありません。生徒は平等に学ぶ権利を与えられており、先生は、学生が平等に学べるように配慮する義務があります。

 一方、職場では、自分で居場所を作らなければなりません。職場では、顧客に商品やサービスを提供した対価の中から、給与が支払われますから、仕事の成果も問われます。会社とは、何かしらの価値を社会に提供する仕組みですから、会社の方針や価値観、ルールや仕組みを理解しているかどうかも問われます。

 また、職場は個人戦ではなく、団体戦ですから、積極的に上司や仲間と力を合わせ、チームと良好な関係を築けているかも問われます。新卒で自分の居場所を作れない人の多くは、ここを勘違いしてしまう傾向にあります。「居場所は与えられるもの」という学生的感覚から抜けられず、受け身になってしまうのです

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