職場でのタメ口、呼び捨てはアリ?今再注目のビジネス本に学ぶ
仲良くなっても距離感は遠めに
もちろん、相手に悪気がないことはわかっています。しかし、若い人は勝手に仲良くなったと勘違いし、つい近寄り過ぎる傾向があるようです。僕が「○○様」とメールを返したことで、学生はその距離感に気づいたと思います。
相手との距離感を誤らないように気をつけてください。若い人にとっては苦手なところかもしれないので、仲良くなっても距離感は少し遠めにしておいたほうが無難かもしれません。
“相手がどう思うか”が重要
以下は2018年に発売した『入社1年目の教科書 ワークブック』で紹介した『入社1年目の教科書』の読者から寄せられた疑問や質問です。「相手との距離感」「職場の年齢」の問題について、著者として回答していますので、以下にその抜粋を紹介します。
Q:このご時世、年齢でくくるのは時代遅れではないでしょうか?
岩瀬大輔(以下、岩瀬):そうですね、時代遅れかもしれません。ただ、こうした判断も「相手がどう思うか」でおこなってください。自分がどうしたいかではありません。あなたは年齢なんて関係ないと思っていたとしても、相手がそう思っていなければ、「無礼なヤツだ」と思われてしまいます。
友人であれば構いませんが、仕事関係の人とは適度な距離感を保つことが肝要です。友人でもないのに、自分のほうが年上というだけで「くん」づけで呼ぶ人や、なれなれしくタメ口で話しかけてくる人は、正直、私は得意ではありません。もちろん、相手があなたに「タメ口でいいよ」と言ってくれたら、喜んでそうしましょう。
Q:メールで使う「様」「さま」「さん」の使い分けがわかりません。
岩瀬:距離感が遠い順に「様」「さま」「さん」と使い分けている人もいるようですが、私の場合は「スタイル」として「さま」をよく使います。親しくなった相手には、「様」より「さま」を使うことが多いかもしれません。ただ、入社1年目であれば、「様」としておいたほうが無難でしょう。相手が「○○さんでいいですよ」とか「お互い『さんづけ』にしませんか?」などと提案してきたら、それに合わせましょう。
Q:「同期だからタメ口でいいよ」。同じ高校出身の1年先輩に言われました。ほかの同期の手前、対応に困ります……。
岩瀬:これも相手次第です。その先輩と同期のみんながどう思うかで決めてください。みんなの居心地がよければどちらでもいいでしょう。私も大学時代に同じ経験をしました。高校の1年上の先輩が同じクラスになったことがあります。そのとき私は「さんづけ、タメ口」で対応しました。