Xデーに向けて荒れる相場でも狙い目「黒字転換株」4選。人気アナリストに聞く
世界のマーケットが不安になっている。焦点は米連邦準備制度理事会(FRB)による資産購入の縮小、通称テーパリングだ。Xデーを懸念しながら荒れる相場で、手堅く勝つ手法を人気アナリストに聞いた!(※株価などのデータは6月29日時点のもの)
テーパリングの“相場調整”がくる!?
バタバタと、市場関係者の足音が聞こえてきそうだ。
米国株安を嫌った東京株式市場では6月21日に売りが相次ぎ、一時1100円超も下落して2万7795円の値をつけた。2万8000円を割り込んだのは、約1か月ぶりだ。その理由を、経済アナリストの馬渕磨理子氏(@marikomabuchi)はこう分析する。
「6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、時期は不明ですが量的緩和策の縮小、つまり“テーパリング”に関する議論が始まりつつあることが明らかになりました。市場関係者の想像以上に、米連邦準備制度理事会(FRB)の主要メンバーの姿勢がタカ派に転じ、金融相場の転換を意識させられたことがその背景にあります」
しかしその後、日経平均は2万9000円台に回復し、今年4度目の3万円タッチを見据えている。
「FRBのパウエル議長は早期利上げに対して否定的な発言をするなど、テーパリングの早期実施か、あるいは先送りか。市場関係者も、彼らの真意を読みかねています」
米国金融のXデーはいつ訪れるのか
遅からず、米国では金融政策の正常化に向けた舵取りを迫られる。では、“Xデー”はいつ訪れるのか。
「リーマンやコロナショック級の大幅な下落は、現実的とは言えません。このまま強気なら日経平均は3万4000円に向かうことも考えられますが、場合によっては、2万6000円、さらには2万4000円を下限にした調整も十分にあり得ます。これから年末に向けて米国金融政策に関連するイベントが目白押し(下のスケジュール表を参照)。今年は、相場に振り回される年になるかもしれません」
今後、アメリカの利上げ政策が行われるなか、大幅な調整が入ることは珍しくない。それに伴い落ち込む日本株は少なくないだろう。
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<米国金融政策に関連する年内スケジュール>
■ 7月27~28日米連邦公開市場委員会(FOMC)
テーパリングの必要性について、どのような議論が行われるかがポイントに
■ 8月26~28日ジャクソンホール会議(カンザスシティー連銀主宰)
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が出席。テーパリングの実施を示唆するか
■ 9月6日連邦政府による失業保険給付の特別加算が終了
労働供給の増加に繫がり、雇用統計が改善される。9月前に打ち切ると宣言している州も
■ 9月21~22日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
テーパリングについての議論の内容に注視。ワクチンの普及率により前倒しも
■ 10月13日 クオールズFRB副議長が任期を迎える
トランプ前大統領が金融緩和を進めるために指名。民主党内では再任反対意見が多い
■ 11月2~3日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
テーパリングの動向。失業率の改善とワクチンの普及率をチェックしておきたい
■ 12月14~15日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
早ければ2021年末にテーパリングが始まる可能性も指摘されている
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