元NHKアナが伝授する「オンラインでも、対面でも」相手に伝わる話し方。語尾はしっかりと
「思います」を乱用していないか
「~のほう」「~という形」「~に対して」「~自体」「~になります」「~みたいな」「~な感じ」「~のよう」「~かな」「~とか」「~的には」……。「という見方もできるという意見もございまして」。こんな官僚の答弁のようなまわりくどい言いまわしも、結局何を言いたいのかわかりません。
オンラインの場合も言葉グセは少ないほうがいいことは間違いありません。さらに、画面越しに意思をしっかり伝えたい時に外せないポイントがあります。それは語尾のノイズをカットして、「です」「ます」と言い切ることです。
例えば、プレゼンテーションの時に「では、次にいきたいと思います」「実践したいと思います」「こちらがおすすめだと思います」というように「思います」を乱用する方がいます。
「思う」という言葉は、思うだけで行動するかしないかは別だということ。これでは呼びかけたい時や協力を取り付けたい時には、メッセージとして弱いのです。こうした曖昧な語尾も話の効果を妨げる「ノイズ」です。
語尾をしっかり言い切ることが大事
オンラインで「話が頭に入ってくる」人の話し方を目指すには「では次に進みます」「実践します」「こちらがおすすめです」と語尾をしっかり言い切りましょう。私は20年近くキャスターを務めましたが、テレビの現場では、言い切る自信がない時には発言するな、と指導されました。
ビジネスでも責任が持てない発言はしないのは当然です。もし言い切る自信がない時には、例えば「ここまでは確証が持てます。ここからは、あくまで論文を読んだ見解なので、もし間違っていたらご指摘ください」というように、正直に理由を伝えて、曖昧に誤魔化さないことです。それが何より信頼につながります。
上司や取引先への報告では、時には逃げ道をつくっておきたいこともあります。しかし、煮え切らない語尾を使ってばかりいると、「本当にやる気あるの?」と言われかねません。
言葉のクセは、心のクセ(思考のクセ)とも言われています。言葉のクセを改善して、ぜひ自分の発する言葉に責任を持ちましょう。