相手をイラっとさせる「損する言葉」とは?社会人が知るべき「言いかえクイズ」3問
「もっと違う言い方をすればよかった」「思っていることがうまく伝わらない」。こんな会話の悩みや後悔を抱えているビジネスマンは、多いのではないでしょうか。
同じことを伝えるとき、相手から好感を持って受け入れてもらえる人と、相手をイラっとさせたり嫌な気持ちにさせてしまう人との違いは「言葉の使い方・選び方」にあります。
では、どんな言葉を使えば、前者になれるのでしょうか。話題の本『会話の9割は「言いかえ力」でうまくいく 』(アスコム刊)は、そんな悩みを解決するヒントとなる一冊です。著者である心理研究家の津田秀樹氏と精神科医の西村鋭介氏が、それぞれカウンセリングや診療の現場で培ってきた、「人を傷つけない、自分も傷つかない」ための会話のコツがわかりやすく説明されています。
今回は、津田氏・西村氏の著書より「損する言葉」を「好かれる言葉」に変える、言いかえのポイントをいくつかご紹介します。
1)注意するときは「極端語」を使わない
【「損する言葉」と「好かれる言葉」】
× どうして、いつも遅刻するの?
○ どうして、遅刻するの?
なかなか言うことを聞いてくれない後輩や部下を注意するときに使ってしまいがちなのが、「極端語」です。
たとえば、相手が2、3回くらい同じミスをしたとき、「いつも同じミスばかりして!」と叱ったりすることがありますよね。この「いつも」が極端語です。「2、3回」を「いつも」というように極端に表現してしまっているわけです。
極端語には「まったく」「絶対」「ちっとも」「なんにも」「全然」などたくさんの言い方があり、会話の中に頻繁に登場しがちです。「自分の気持ちをもっと相手に伝えたい!」という思いが強くなるほど、極端語は増えていく傾向にあります。良いことを伝えるときに使うならよいのですが、人を叱ったり注意したりするときに使うと、必要以上に相手を責め立てることになり、傷つけたり反発を生んだりしてしまうのです。
会話例のように「どうして、いつも遅刻するの?」と言われると、相手は「今回は遅刻したけれど、前回は間に合うように来たのに」と反論したくなってしまいます。たいていの場合、事実はそこまで極端ではないため、極端語で叱られると相手はその極端語に対して「そんなことないのに」と反論・反発してしまうわけです。
「ちっともわかってない」「全然できてない」などの言い方もよく使ってしまいがちですが、それでは反省を促すこともできず、逆効果になってしまいます。人を叱るときや注意するときは、極端語を使わないことを心がけると、相手も素直に反省することができ、関係を拗らせずに済むでしょう。
2)断るときは理由+代案も伝える
【「損する言葉」と「好かれる言葉」】
× すみません、今日は予定があって無理です。
○ すみません、今日は予定があって無理ですが、明日なら大丈夫です。
会話でもとくに難しいのは、相手の依頼を断ることです。うまく断れずに相手を不愉快な気持ちにさせてしまったり、逆に断り切れず余計なことまで引き受けてしまい、後悔したり、1人でストレスをため込んでしまう……という経験をしている人も多いのではないでしょうか。
できないことをできないと伝えるのは、かなり重要なコミュニケーションスキルのひとつです。相手を嫌な気持ちにさせることなく、自分自身も負担を感じずに断るには、相手の立場に立って考えることが大切です。