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「テレワーク実施率」が伸びないなかで目指すべき“ハイブリッド型”とは/常見陽平

学び

政府や自治体はテレワーク推進派なのか

常見陽平氏

常見陽平氏

 各地では、ワクチン接種も始まっている。世界では接種済みの地域ですでにマスクを外していたり、その流れから旅行ブームが起きていたりと様々な変化もみられるが、ことテレワークに関しては、コロナ禍の対策だったと終わらせてはいけない。

 もちろん必要ではあるが、飲食業や観光業の支援が目立つ今、政府や自治体もテレワーク導入へ本当に積極的なのかと問いたくなる。現状、テレワーク推進に向けた予算組みも行われているが、十分か。例えば、自宅で仕事をしながら熱中症にかかったときはどうするのかなど、テレワーク下での労災についても議論を深めなくてはならない。これに副業などが絡むとさらにややこしくなる。

 コロナ禍では、今までと異なるスピード感が求められているのも事実。毎日のように道徳の教科書を読まされているような感覚に陥っているが、テレワークについては「何が必要なのか」「どこをいいとこ取りするのか」を考えるのが、社会レベルでも個人レベルでも必須だ

 推し進めようとする側、現場側の意見をすり合わせ、近い将来のあり方を問うべきだ。

<TEXT/千葉商科大学国際教養学部准教授 常見陽平>

働き方評論家。千葉商科大学国際教養学部准教授。1974年、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。『社畜上等!――会社で楽しく生きるには』など著書多数
■Twitter:@yoheitsunemi

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