中途採用で面接官は「服装」と「見た目」のココを見ている
「転職活動をするときには、希望する会社のドレスコードに合わせればいい」。さきほどそのように説明しましたが、実際にドレスコードを見極めるのは難しいものです。
クールビズや“ビズカジ”などの言葉も生まれたように、最近は特に仕事とプライベートの服装の垣根がなくなってきたので、「この服装ならOK」とは言い切れなくなってきました。
スニーカー通勤もドレスコードを考慮しよう
私自身もやはり判断に迷ってしまう場面はあります。前から健康のため通勤電車から早く降りて歩いているのですが、そのときにもいろいろな迷いが生じました。
「歩くなら革靴はツラいのでスニーカーにしたい」、「だけど会社でスニーカーでもいいのか?」、「スリッポンならどうだろうか?」……。このように考え出すとキリがありません。結局スニーカー通勤をしつつ、オフィスでは革靴に履き替えるようにしましたが。
服装の問題には、転職者も頭を悩ませているようです。カジュアル化が進んでいるからといって採用面接にノーネクタイで臨んだら、採用担当者が全員スーツにネクタイだったとなると、笑えませんよね。
とくに悩ましいのが、午前中はオフィスで仕事をして、午後に採用面接を受けるケース。もし私服が当たり前の会社に勤めているのに、採用面接はスーツにネクタイの会社となると、「スーツで出社すべきか、途中で着替えるべきか?」などと迷ってしまいます。
そうした状況の場合、ひとつの解決策は、「あらかじめ面接を受ける会社に事情を話しておく」というものでしょう。「スーツでうかがえませんが、問題ありませんか?」と理由とともに伝えておけば、採用担当者の心象も害しませんし、自分としても不安なく採用面接に臨むことができます。
ドレスコードから、会社の文化を見ておく
ここまでは、転職活動において採用面接を受ける場面を想定して解説しましたが、ときおり、転職をした後になって転職先のドレスコードに戸惑うという人もいます。
とりわけ私服OKなどラフな文化のある会社から、商社などのスーツ文化の会社に移った場合に「馴染めない」という悩みを持ってしまう人が少なくないようです。
カジュアルな服装で仕事をする企業は自由な文化がある一方、スーツや制服を身につける企業はルールがきっちりしているといったように、会社ごとのドレスコードには社内文化が表れがちです。そこで、転職活動をするときには、企業のドレスコードをあらかじめ把握しておき、「その会社で働いている自分の姿」を想像できるかを考えてみると良いでしょう。
こうした情報は、インターネットである程度知ることが可能です。上場企業であれば社員の平均年齢は公開されていますし、企業の採用ページには、「先輩社員の紹介」などとして写真付き社員が公開されていますから、それらを見ておくだけでも多くのことが分かるはずです。
もし、採用面接を受けてみて「自分と合わないな」と感じたのであれば、あえてこちらから入社を辞退するというのも、ひとつのやり方です。いったん入社してから馴染めずに辞めてしまうよりは、個人と会社双方にとって良い選択だと考えます。
<TEXT/高本尊通 構成/小林義祟>