平均年収2300万円!M&Aキャピタルパートナーズ、高年収の謎に迫る
M&Aキャピタルパートナーズは、上場企業の年収ランキングで1位を獲得していることで有名です。2020年9月期の有価証券報告書に記載されている平均年収は約2300万円(平均年齢31.4歳)。国税庁が公表している資本金10億円以上の株式会社の平均年収は635万円ですから、その3.6倍も稼いでいることになります。
この記事では、M&A仲介という今ひとつ実態のつかめない事業を説明し、他の事業会社と何が違うのかを比較して高年収の謎に迫るものです。また、この事業の弱点に関しても紹介します。
M&Aは数少ない成長産業に
M&Aとは会社や事業部を売り買いすることです。M&Aキャピタルパートナーズはその仲介をしています。事業内容を簡単に説明すると、会社を売りたいという人を見つけて、買いたいと思う人を紹介し、マッチングしたらその手続きをサポートする仕事です。
M&Aというと、かつてはハゲタカファンドを連想するなど決して良いイメージはありませんでした。しかし、今は日本で数少ない成長産業となっています。
M&Aの情報分析を行うレコフの調査によると、日本企業の2019年のM&A件数は前年比6.2%増の4088件で、調査開始以来初の4000件を超えました。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で10%前後ペースを落としていますが、いずれ増加に転じるとみられています。
後継者不足問題が後押し
M&Aを後押ししているのが中小企業の後継者不足問題です。帝国データバンクの全国社長年齢分析によると、2020年の社長の平均年齢は60.1歳。年々高齢化しています。さらに会社の後継者不足率は65.1%と高水準。
中小企業庁によると、日本の中小企業は357.8万社あります。親族や社員に経営の引き継ぎができずに、悩んでいる経営者が星の数ほどいることになります。M&Aキャピタルパートナーズはこの事業承継を中心に扱っているのです。
M&A仲介は、大げさにいうと誰でもなれる仕事でした(2021年度から登録制になる予定。詳細は後述)。仲介の名刺を持ち、「あなたの会社は1億円で売れます!」といって案件を仕入れ、1億円で買ってくれる人を探せばいいわけです。
飲食業や製造業のような設備投資はいりません。仕入れ原価はかからず、在庫もありません。営業マンが案件を仕入れて、売り手と買い手を繋げば手数料が入る単純な仕組みです。この身軽さこそが高収入の源泉です。