どれくらい滞納するとブラックリスト入りなのか。専門家に聞く「借金の基礎知識」
敷居の低い小口の貸付サービスや後払いサービスなどが近年増えているが、賢い借金をするためにはリテラシーが求められる。
前回の記事では、30年以上にわたって消費者金融を経営し、現在は自身の運営するサイト「借入のすべて」やSNSなどで幅広いお金の知識について発信する小林修氏(@kobayashi30nen)に、2021年夏から消費者金融事業に参入するファミリーマートの思惑や、消費者金融一般で気をつけるべきポイントを話してもらった。
後編となる今回は「お金を借りること」そのものに焦点を当て、カードローンの仕組みや賢い選び方、金融機関のブラックリストに入る支払いのデッドラインなどを聞いた。
カネはチリツモで消えていく
「カードローンを選ぶ場合はセキュリティ面の信頼感と安定感のある大手から借りること、なるべく金利が安いものを選ぶことの2つがポイント」と語る小林氏。
銀行なら名の通ったメガバンク系、消費者金融ならアコム、プロミスなどの大手消費者金融が良く、金利的に銀行カードローンを選ぶことが望ましいという。
「銀行カードローンの平均金利は年14~15%、大手消費者金融の金利は年18%です。この差は10万円未満の借入だと30日間で200円程度の違いなので、実生活ではそれほど気になる額ではありません。
しかし、30万円の借入で740円、50万円なら1233円です。それも30日以内に一括返済すれば、取るに足らない額に感じるかもしれませんが、リボ払いだと無視できない差になります」
銀行カードローンは基本的に銀行ATMでの返済時に手数料が発生しない点も大きい。
「大手消費者金融は税込110円の手数料が掛かります。これもわずかな金額とはいえ、分割で返すと、なかなか大きな差になります。おすすめはセブン銀行ですね。年利15%で審査が通りやすく、セブン銀行口座から返済すれば手数料も0円です」
知人に貸した金を返してもらえない場合は…
利息は実質年率で表示されているが、日割りでかかる。借りた翌日に返済すれば1日分の利息で済むワケだ。そのためギリギリまで借りずに耐え、できるだけ少ない金額を借りて、なるべく早く一括で返済することが基本線となる。
「そもそも消費者金融は誰にも知られず即日融資がウリ。決して金利は安くありません。とはいえ、10万円借りて30日間で1500円弱なので、友達にお金を借りて禍根(かこん)を残すくらいなら、消費者金融を利用する選択もありますね」
ちなみに消費者金融とは別に、知人に貸した金を返してもらえないといったトラブルもよく聞く話だ。
まずはお互いに話し合うことが第一だが、どうしても返してもらえずに悩んでいる場合、60万円以内の金額なら少額訴訟を起こす方法もある。
「費用は数千円程度で弁護士も必要ありません。審理は1日で終わり、相手が出頭すれば和解手続き。相手が出頭しない、和解案に応じない場合は相手の財産を差し押さえられます。ちなみに個人間融資の利息は年109.5%まで出資法で許されています。これは消費者金融の約5倍の数字なので、けっこう高いんです」