サラリーマンの副業で、家賃の一部も経費に。確定申告するメリット
新型コロナウイルスによって収入が減ったり、在宅勤務が導入されて「残業代」が消えた家庭も……。収入の補塡は必須だが、外出は自粛したいところ。そこでステイホームを維持しながら稼げる最新の副収入をリサーチ&実践した。
副収入の利益は“経費”で相殺できる
副収入を得た場合は申告が必須。税理士の高橋創氏によると、経費を計上して確定申告をすることで、税金がお得になるという。
「例えば年間の給与所得が500万円で、副業で年に36万円稼いだ場合、所得税は26万5900円で住民税は35万1500円です。しかし、ここで経費を計上して、仮に利益ゼロ円で確定申告した場合、所得税は21万4900円で住民税は31万5500円となる。経費を積んで確定申告することで、合計9万円の得になります。36万円稼いでも9万円を引かれるのと引かれないでは大違い、決して少なくない金額です」
では、どんな内容の出費が経費と認められるのか。
「経費の例えとして、カーシェアに使う自動車に係る減価償却費や、レンタル倉庫として自室の一部を使う場合は家賃の一部を経費として計上することが可能。フリマアプリなどでせどりを行う場合は、仕入れた商品の代金や通信費、送料も経費となりますし、業務に必須となる出費は基本的に経費として認められます」
明確なロジックを立てて経費を積み上げよう
副業のメリットは、サラリーマンでは不可能だった経費申告ができる点。賢い確定申告で節税効果をもたらす。
「要は“計算根拠”が成立するのが重要です。レンタル倉庫で自室の一部を貸し出す場合、月9万円で2LDKのアパート在住として、9万円の家賃をまるまる経費にするのはNG。2LDKのうち1部屋を倉庫として貸し出すなら、家賃の面積で考えると3分の1程度のため、家賃の3分の1=3万円を経費に。
カーシェアの場合も、240万円の車を週7日のうち土日を除いた5日間貸し出したら減価償却費の7分の5の金額を計上するなど、明確なロジックを立てて経費を積み上げましょう。新車の耐用年数は普通車なら6年で計算するので、単年での経費は購入代金の6分の1になるなど、減価償却の計算が必要な項目もあるので注意してください」
面倒だが、約10万円の損をするくらいなら、確定申告をする手間も副業の一部と考えて行うべし!
【税金をお得にするPoint】
① 家賃の一部、送料も経費に!
② 経費のストーリーを作っておく!
③ 確定申告も副業の1つに考える!
【高橋 創】
税理士。近著に『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)。ゴールデン街「無銘喫茶」のオーナーで、YouTubeで『2丁目税理士チャンネル』を運営
<取材・文/週刊SPA!編集部>