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明石家さんまとの共演で衝撃。“相棒俳優”山西惇が語る、人生の分岐点「天才ってこの人のこと」

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コロナ禍でも舞台に立つこと

こまつ座

こまつ座『日本人のへそ』(撮影写真/宮川舞子)

――山西さんは井上ひさしさん劇作の『日本人のへそ』に井上芳雄さんや小池栄子さんと出演中ですが、今、舞台に立つことについての思いを教えていただけますか。

山西:この『日本人のへそ』が上演されるのは10年ぶりで、僕は今回「教授」役を演じています。今、世の中が大変な状況ではありますが、演出の栗山民也さんの「きちんと、できる限りの対策をやれば大丈夫、上演できる」という言葉を頼りにカンパニーの皆で頑張ってきました。

――今ほど“演劇は必要か”みたいな議論がされている時って、これまでなかった気がします。

山西:ですよね……僕自身も昨年5月の舞台が稽古に入る前に中止になり、ステイホーム期間中は多くの時間を自宅で過ごしました。ってなると、だんだん追い詰められて「転職したほうが……」なんてつい考えてしまうことも。また、あの頃は特にSNSでの(演劇やその周辺に対しての)叩かれ方が尋常じゃなかったんですよ。

必要としてくれる人が少しでもいるなら…

――わかります。

山西:自分たちの仕事が必要とされていないのならば、それをやる意味はあるのか……と考えることもありました。ただ、受け手としての自身の話に置き換えると、今、1番欲しいのは日常からふっと離れられる時間だと思ったんです。

 2時間か3時間、目の前にある苦しいことや嫌なことを忘れて劇場で物語の世界に没入できる時間。あと、特に若い頃、自分が何者かわからなくなった時、僕はいろいろな映画に助けられました。

 だから、必要としてくれる人が少しでもいるのなら、この仕事をやる意味はあるんじゃないかと気持ちを切り替えました。

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